「ハカ」で懲罰に「ハカ」で抗議 NZ先住民議員へ異例の停職にデモ

2025/05/21 21:29 

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 ニュージーランドの首都ウェリントンで20日、先住民の国会議員3人に対する異例の懲罰に抗議するデモが行われた。国会前に集まった数百人の市民が、先住民マオリの伝統舞踊「ハカ」を披露して撤回を求めた。

 発端は昨年11月、マオリ党所属の議員3人が先住民の権利を実質的に制限する法案に反対し、議会審議中にハカを踊ったことだった。法案は今年4月に否決されたが、今月、議会委員会が3人の行為は「他の議員への威嚇」に当たるとして、停職処分を勧告した。謝罪した議員は7日間、他の2人は21日間とした。

 AP通信によると、これまで停職期間は3日が最も長く、今回の処分は史上最長。他党からも「厳しすぎる」との声が上がった。このため、処分案の是非を議会で審議中で、当初21日に予定されていた採択は延期され、6月5日以降に持ち越される見通しだ。

 問題となった法案は、1840年に当時ニュージーランドを統治していた英国とマオリ族の首長らが結んだワイタンギ条約の解釈を見直す内容で、右派のACT党が昨年11月に提出した。しかし、国内各地で大規模な抗議活動が起き、最終的に廃案となった。

 抗議の一環として議員たちが議場でハカを踊った様子は交流サイト(SNS)で拡散。ユーチューブでは再生回数が数千万回に達するなど、大きな反響を呼んでいる。【バンコク国本愛】

毎日新聞

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