日米財務相会談、為替水準議論せず 相場「市場で決定されるべきだ」

2025/05/22 09:20 

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 加藤勝信財務相は21日、主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議が開かれているカナダ西部バンフで、ベッセント米財務長官と会談した。為替問題について協議し、両氏は「為替相場は市場で決定されるべきで、現在のドル円相場はファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)を反映している」と確認。4月の前回の会談時と同様、為替水準については議論しなかった。

 トランプ大統領は米製造業の価格競争力を弱める円安・ドル高を問題視しており、市場では「米国が日本に円安是正を求める」との観測が根強い。ただ、トランプ政権が大規模関税を発動し、市場では円など主要通貨に対して信用力の低下したドルを売る流れが強まっている。

 ベッセント氏は、基軸通貨ドルの地位を重視する観点からドル急落を招きかねない円高・ドル安誘導策に慎重とされ、今回の会談でも日米間で現在は為替に関して問題はないとの姿勢を示したとみられる。

 会談後に記者会見した加藤氏は、ベッセント氏と30分間会談したことを明らかにし、「為替の水準についての議論は行っていない」と述べた。【ワシントン大久保渉、井口彩】

毎日新聞

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