FRB議長、トランプ氏と面談 第2次政権発足後初めて

2025/05/30 10:39 

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 米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は29日、ホワイトハウスでトランプ大統領と会談した。ホワイトハウスのレビット大統領報道官は同日の記者会見で「大統領は『FRB議長が利下げしないことで、中国や他の国々に対し経済的に不利な状況になっているのは間違いと考えている』と述べた」と明らかにした。1月20日に第2次トランプ政権が発足して以来、両氏が会談するのは初めてとみられる。

 トランプ氏の招待を受け、パウエル氏がホワイトハウスを訪れた。FRBの発表によると、パウエル氏は金融政策の見通しについては語らず「慎重かつ客観的で非政治的な分析のみに基づき金融政策を決定している」と述べたという。

 さらにパウエル氏は、金融政策は最新の経済データとそれに基づく経済見通しによって決めるとの原則論を示し、「物価安定」と「雇用の最大化」というFRBに課された二つの使命を果たすために行動していると説明した。

 FRBはトランプ政権の大規模関税がインフレ(物価上昇)を再燃させたり、米経済を悪化させたりする恐れがあると判断し1月以来、3会合連続で政策金利を据え置いている。これに対し、トランプ氏は個人や企業が資金を借り入れやすくする利下げを繰り返しFRBに求めており、様子見を続けるパウエル氏を「愚か者」「Mr. Too Late(遅すぎる人)」と名指しで批判してきた。【ワシントン大久保渉】

毎日新聞

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