阪急と阪神が関西初「カーボンニュートラル」運行 どう実現したのか
阪急電鉄と阪神電気鉄道は4月から、全ての電力を実質的に再生可能エネルギー由来のものでまかなう「カーボンニュートラル運行」を始めた。関西の鉄道会社では初めて。両社の路線距離は計約193キロに及び、1日平均の輸送人員は延べ約228万人にもなる。一体どのようにして実現したのか。
阪急大阪梅田駅で4月1日にあった出発式では、光や空気、水など自然を想起させる爽やかなデザインのラッピング列車がお披露目された。環境省の担当者も参加し、「エコな乗り物がさらにエコになる」と笑顔を浮かべた。
両社の全線で使用される電力量は年間計約4億7000万キロワット時。年間約20万トンのCO2削減効果があり、これは阪急阪神不動産や阪急交通社などを含む阪急阪神ホールディングス(HD)の排出する全体量の約4割に当たる。一般家庭に置き換えると、約7万9000世帯分の削減効果だ。
新たな取り組みでは、鉄道全線と駅で使う全ての電力を実質再生可能エネルギー由来のものに切り替えた。加えて、阪急と阪神の計6駅や、阪急の整備工場に設置する太陽光パネルで発電した分も利用し、実質的に二酸化炭素(CO2)排出量をゼロに抑える。
この「実質的に」という冠がつくのには理由がある。今回の取り組みのために両社が契約した関西電力の「再エネECOプラン」は、電力のすべてを水力や風力といったクリーンエネルギーでまかなっているのではない。火力発電などによる電力も含まれている。
関電のプランでは、再生可能エネルギー由来の「環境価値」を付け加えた電気を購入することで、実質的に再生可能エネルギーを使用しているとみなされる形だ。通常の契約よりコストはかかるが、環境保全に向けて貢献する形となる。
22年に国内初のカーボンニュートラル運行を始めた東急電鉄(東京都)でも、阪急・阪神と同様に環境価値を購入することで実質的に再エネを使用しているという。
HDの取り組みはこれにとどまらない。プロ野球・阪神タイガースの2軍球場を置く施設として今年2月にオープンした「ゼロカーボンベースボールパーク」(兵庫県尼崎市)は太陽光発電などで年間使用量の80%以上を発電できる機能を備え、名前の通りCO2排出量実質ゼロに取り組んでいる。宝塚大劇場(同県宝塚市)でも再エネ由来の電力で興行している。
ラッピング電車は阪急・阪神で計3編成が走り、こうしたHDの取り組みを車内広告でアピールし、環境問題への関心を高める工夫をしている。阪急電鉄の山中直義・都市交通事業本部長は「沿線や鉄道を利用する方に積極的に利用してもらい、環境への意識を高めてもらいたい」と語った。
関西の鉄道各社にも取り組みは広がるのか、注目される。【小坂春乃】
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