札幌・狸小路の「サツゲキ」26年3月に閉館へ 100年前から映画館続く

2025/12/06 12:15 

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 札幌市中央区の狸小路商店街にある映画館「サツゲキ」は、来年3月29日で閉館すると発表した。賃貸借契約満了に伴う閉館で、札幌市民や映画ファンから愛された歴史ある拠点が幕を閉じる。

 サツゲキは2019年に閉館した近隣の映画館「ディノスシネマズ札幌劇場」が復活する形で20年7月に開業した。

 狸小路5丁目のサツゲキの立地場所では、1925(大正14)年に映画館「三友館」がオープンして以来、「日活館」「東宝プラザ」と看板を変えながら、長きにわたり映画館が営まれてきた。

 サツゲキは、大小の4スクリーンがあり、全446席。4Kレーザープロジェクターや最新の音響システムを導入し、単館作品や短編作品も積極的に扱い、札幌国際短編映画祭の会場にもなった。昨年は約6万2000人、今年は11月末までに約7万8000人の市民が足を運んだ。

 運営会社の佐々木興業(東京都)は、物件の所有者と賃貸借契約の条件が折り合わなかったことが閉館の理由と説明し、「サツゲキならではの特徴的な作品をお届けできなくなるのは残念」とコメントした。

 帰省中に閉館と聞き、サツゲキに足を運んでいた、札幌出身でタイ在住の会社員、小山海人さん(32)は帰省のたびにこの場所を訪れていたといい、「独特な映画のラインアップが魅力で狸小路らしい場所だった。閉館はさみしい」と話した。【森原彩子】

毎日新聞

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