小樽の観光客数、8年ぶりに400万人突破 25年度上半期

2025/12/04 16:08 

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 北海道小樽市は、2025年度上半期(4~9月)の観光客数が前年度比4・3%増の413万4100人だったと発表した。400万人を突破したのは8年ぶり。宿泊客数は50万600人で過去最多となった。市は宿泊・観光施設の開業や国内外の観光需要の高まりが追い風になったと分析している。

 市によると、観光客数の内訳は、道内からは約226万人、道外からが約188万人。外国人の宿泊客数は10万7611人で過去最多。台湾、韓国、香港、中国など東アジア圏からが全体の約7割を占め、北米(前年同期比153・8%)や欧州(同173・6%)の伸びが際立った。

 市は今年2月に日本遺産「北海道の『心臓』と呼ばれたまち・小樽」に認定。4月以降、重要文化財の旧日本郵船小樽支店のリニューアルオープンや鰊(にしん)御殿の営業再開、小樽芸術村「浮世絵美術館」の開館などが続き、観光の機運が高まった。

 これに加え、小樽運河周辺での宿泊施設の開業や観光船ターミナルのオープンもあり、市は「『みなと観光』の魅力が高まった」と要因に挙げた。

 一方、観光客が市内にある映画のロケ地を撮影する目的で私有地に無断で立ち入ったり、交通渋滞が発生したりするなどの「オーバーツーリズム」が問題化している。

 市は新たに4言語でのマナー啓発の街頭放送やJR南小樽駅周辺などに新たに警備員を配置し、渋滞緩和のための観光バス待機場確保などの対策をとる。【森原彩子】

毎日新聞

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