参政・梅村氏質問に「天皇の政治利用」指摘 神谷代表「個人の見解」

2025/12/04 10:21 

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 参政党の神谷宗幣代表は3日の記者会見で、梅村みずほ参院議員が参院厚生労働委員会で、上皇、上皇后両陛下が天皇、皇后在位中に示した夫妻の葬儀に関する意向を引き合いに土葬の禁止を主張したことについて「梅村議員個人の見解で、(両陛下の意向を)党が掲げてやることはない」と述べた。梅村氏の質問を巡っては「天皇の政治利用ではないか」との指摘が出ていた。

 神谷氏は批判的な指摘が上がっていることを踏まえ、梅村氏に「やり過ぎるとこういう声も強くなる。そう感じる人がいることを理解して、質問作りに生かしてください」と伝えたと明らかにした。注意や処分ではないとしており、梅村氏は「気を付けます」と答えたという。参政党はイスラム教徒らが求める土葬について、否定的な主張をしている。

 梅村氏は11月27日の参院厚労委の質問で「土葬を原則禁止にしてはどうか」と主張。両陛下が自身の葬法について「火葬が望ましい」との意向を示したことがあると指摘し、「土葬を拡大するということは、陛下の気持ちとは真逆の発想ではないか。国民感情を鑑みても、日本国としても決してあってはならない」と述べた。

 上野賢一郎厚労相は「皇室におけるご葬送につきましては、皇室において適切に対応される」と答弁したが、梅村氏は「上皇、上皇后両陛下が、ご在位の時にこれほどまでに国民、我が国のことを考えてお示しになられてるのに、私たちは、押しの強い意見を諾々とのんでいかなければいけないのか」などと追及を続けた。

 憲法4条は天皇について「国政に関する権能を有しない」と定めている。そのため一連の質疑について、交流サイト(SNS)などで「皇室の政治利用ではないか」などの指摘が相次いでいた。【田辺佑介】

毎日新聞

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