「言葉に光を」 中村哲さん没後6年 各界著名人との対談集発売

2025/12/04 08:45 

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 アフガニスタンなどで人道支援に取り組んでいた福岡市のNGO「ペシャワール会」の現地代表で医師の中村哲さん(当時73歳)が武装集団の凶弾に倒れて4日で6年。中村さんと各界の著名人との対談を収録した「中村哲対談集 人・水・命」(石風社)が発売された。中村さんの活動に関心を寄せた10人が登場する。

 中村さんは2019年12月4日、アフガン東部ナンガルハル州ジャララバードを車で移動中、武装集団に銃撃され、亡くなった。

 「中村さんの言葉に今一度、光を当てたい」とペシャワール会が編集した。対話者は、作家・劇作家の故・井上ひさしさんや解剖学者の養老孟司さん、俳優の故・菅原文太さんら。05、06年に対談した哲学者で評論家の故・鶴見俊輔さんとは「国家を超えて生きる流儀」など、12年に対談した作家の故・半藤一利さんとは「民主主義で人は幸せになれるのか」をテーマにした。

 15年から10年間、ペシャワール会の会長を務め、11月に退任した村上優さん(76)は「今こそ耳を傾けるべき、示唆に富む話を話し言葉で分かりやすく、奥の深い話が伝わるような文章がちりばめられている。中村医師を深く理解するためにもぜひ読んでもらいたい」と話す。

 A5判、240ページ、定価1870円。注文の問い合わせはペシャワール会事務局(092・731・2372)、石風社(092・714・4838)。【竹林静】

毎日新聞

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