万博の経済波及効果は「3兆円」と民間試算 広域観光の課題も指摘

2025/12/03 21:56 

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 民間シンクタンクのアジア太平洋研究所(大阪市)は3日、4~10月に開催された大阪・関西万博の経済波及効果について、全国で3兆541億円との試算を公表した。開幕前の2024年の2兆7457億円を上回った。一般来場者数は想定を下回ったものの、大阪を中心とした地元来場者が、万博の公式キャラクター「ミャクミャク」などのグッズを買い求めた動きなどが押し上げたとみている。

 飲食や宿泊など万博会場内外で来場者が消費した1人当たりの消費額が伸びたことが要因で、開幕前の1兆3355億円が1兆6439億円に増えた。会場建設費など万博関連事業費による波及効果1兆4102億円は据え置いた。

 稲田義久研究統括は「ミャクミャクを中心としたお土産が売れ、会場で現金が使えないキャッシュレスの間接効果もあった。SNS(交流サイト)の影響もあり、特に万博後半は会場で並んでもなかなか買えない状況だった」と指摘した。

 一方で、府県別の来場者消費額の波及効果は大阪府と京都府で8割超を占め、広域観光のあり方に依然課題が残ったとした。万博の来場者数は2557万人で想定の2820万人を下回り、地域別では関西が6割超を占めた。【新宮達】

毎日新聞

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