安倍晋三元首相銃撃事件で起訴された山上徹也被告（４５）は３日、奈良地裁（田中伸一裁判長）で開かれた裁判員裁判の被告人質問で、これまでに安倍氏の遺族側に謝罪していないことを明らかにした。

　この日の法廷には安倍氏の妻昭恵さん（６３）が被害者参加制度を利用して出席。被告人質問の間は、被告をじっと見つめていた。

　被告は検察官から「遺族への謝罪の意思を示したことはないですね」と問われ、「はい」と答えた。接触を図ったこともないとした。

　被告は２０２２年７月の事件直前、世界平和統一家庭連合（旧統一教会）の施設が入るビルに手製銃を発射していた。この被害弁償もしていないことを明らかにした。【岩崎歩】