鎌倉で開催の日中韓交流事業が閉幕 共同宣言は見送り

2025/12/03 18:23 

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 神奈川県鎌倉市で5月から開かれていた日中韓の4都市が文化交流を図る事業「東アジア文化都市」の閉幕式が2日夜、鎌倉市大船6の鎌倉芸術館であった。ただ中国の湖州市、マカオ特別行政区の関係者は欠席し、共同宣言は見送られた。欠席は、台湾有事を巡る高市早苗首相の国会答弁の影響とみられ、友好に水を差す形となった。

 式典には鎌倉市民ら約650人が集まった。松尾崇市長は「中韓各都市の文化イベントに市民が参加し、国境や民族を超えて個人対個人で絆を深めた」と交流の成果を強調。2026年の開催都市の長野県松本市が紹介され、臥雲(がうん)義尚市長が「11月以降、中国と緊張感が高まっている。この局面だからこそ日中韓が文化の絆で交流を深める事業は意義がある」とあいさつした。

 式典後の文化芸術交流祭では25年共同開催都市の韓国・安城(アンソン)市の大衆芸能集団「ナムサダンバウドギプンムル団」の15人が登場。伝統的楽器による力強いリズムやアクロバティックな動きで魅了した。鎌倉市側は、鶴岡八幡宮の巫女(みこ)らが国家の安寧と五穀豊穣(ほうじょう)を祈る「浦安の舞」を披露した。

 安城市の南相銀(ナム・サンウン)副市長は取材に「政治的な理念が違っても文化・芸術交流を通じて相手を理解して、互いに交流できる分野を広げていくのは良いこと」と振り返った。【福沢光一】

毎日新聞

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