「クマ保険」第2弾 東京海上日動、営業停止の観光業などに損失補償

2025/12/04 18:20 

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 東京海上日動火災保険はクマの侵入で一時的に営業できなくなった観光事業者などを対象に、営業利益やクマ対策費用を補償する保険商品を開発し、今月から販売を始めた。同社の「クマ保険」第2弾で、経済的被害をカバーする保険としては業界初となる。

 新商品は「クマ侵入時施設閉鎖対応保険」で、観光業への影響が顕在化し始めたため開発に着手した。想定顧客は宿泊施設やゴルフ場、キャンプ場などで、クマの侵入により予約がキャンセルとなり生じた損失分を補償する。さらに、侵入の再発を防ぐための威嚇装置や電気柵の設置、撃退スプレーの購入費用も保険金の対象となる。

 防犯カメラ映像などクマの侵入を客観的に確認でき、施設の閉鎖をホームページなどで公表することが条件となる。足跡などの痕跡だけでは原則、対象外となる。保険金は最大で年1000万円。保険料金は事業規模に応じて年10万~50万円程度。

 クマによる被害拡大の影響で、各地の飲食業では時短営業や休業、サービス業や宿泊業などでは予約のキャンセルが既に確認されている。ただ、今回の保険はクマが敷地内に実際に侵入したことが条件のため、予防的な休業や予約をしていない客の減少、周辺での出没によるキャンセルは対象外となる。

 同社は7月、市街地でクマなどの危険鳥獣を駆除する際に流れ弾などで建物や乗り物に与えた被害を補償する自治体向け保険を販売開始。10月末までに200以上の自治体から申し込みがあり好調だという。【山口智】

毎日新聞

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