「適応したい」「選手の声聞いて」 7回制提言受け監督から賛否
日本高校野球連盟は5日、試合を現在の9イニングから短縮する7回制について、監督経験者や連盟理事らで作る検討組織から「全ての公式戦で採用することが望ましい」とする提言を受けたと発表した。2028年春の第100回記念選抜大会からの採用をめどとし、夏の甲子園大会は猛暑への対策が急務だとして、地方大会を含めて速やかに採用するよう促された。
現場の監督たちの受け止め方はさまざまだ。
2024年の選抜大会で初優勝した健大高崎(群馬)の青柳博文監督は「今まで『野球は9回』という認識でやってきたので、7回制には残念な気持ちもある」と複雑な様子だった。
暑さなどの対策として試合時間を短縮することには理解を示し、「決まったルールの中で指導し勝ちにつなげていく。その中で選手たちを学ばせることが大事。ルールが変わっても適応していきたい」と話した。
イニング数が減ることで選手の出場機会が少なくなることも想定し、「部員数が多いとみんなに良い思いをさせてあげられない。部員の適正人数も考えたい」と語った。
一方、反対意見も根強い。
監督として歴代最多となる甲子園春夏通算70勝を挙げている大阪桐蔭の西谷浩一監督は、「野球の憲法を変更するようなもの。簡単に変えてはいけない」と強い口調で話した。「実感では、現場の子どもたちはほとんど賛成していない。もっと子どもたちの意見を聞いてほしい」と訴えた。
投手の障害予防からも「7回制になると、一人に投げさせてしまおうというチームが出てくるかもしれない。これまでの複数投手を育てるという取り組みに逆行する恐れがある」と危機感を口にした。【高橋広之、深野麟之介】
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