逃走した勾留中の被告、12時間後に確保 病院の7階の窓の鍵壊す

2025/12/05 21:20 

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 静岡県警は5日、傷害などの罪で起訴され勾留中の島田健太郎(たける)被告(54)が入院先の病院から逃走したと発表した。同日午前1時15分から同2時の間に病室の窓から逃走したとみられ、約12時間後の午後2時ごろ、警察官が同県三島市の路上で身柄を確保。逃走容疑で逮捕した。

 県警によると、島田被告は、同県伊豆の国市の順天堂大医学部付属静岡病院の7階個室に入院。警察官2人が交代でカーテン越しにベッドを監視し、5日午前4時ごろ様子を確認したところ姿が見当たらなかった。病室の窓の鍵が壊されており、置き手紙のような文書も残されていた。

 県警は島田被告の顔写真などを公表し、県東部全域に緊急配備を敷いて300人態勢で捜索。島田被告は発見時、抵抗することはなかったという。病院で左手首に掛けられていた手錠を外し、袋に入れて所持していた。

 県警は「逃走事案の発生は誠に遺憾であり、医療機関や県民に多大な迷惑・心配をお掛けしたことを深くおわびする」とコメント。監視態勢について今後検証するとした。伊豆の国市教育委員会によると、市内の小中学校9校全てを休校とした。

 県警によると、島田被告は9月3日に同県富士宮市内のスーパーで食品を万引きし、その際に警備員にけがをさせたとして強盗致傷容疑で逮捕され、傷害と常習累犯窃盗の罪で起訴された。勾留中の11月28日にプラスチック製の箸で自分の腹を刺す自傷行為をしたため入院し、12月5日に退院予定だった。【若井耕司、藤倉聡子、藤渕志保】

毎日新聞

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