福間香奈清麗「勝負にこだわる」 女性初の棋士に向け決意表明

2025/12/05 18:07 

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 2026年1月から2回目の棋士編入試験に臨む将棋の福間香奈清麗(33)=女流6冠=が5日、大阪府高槻市の関西将棋会館で記者会見した。試験対局に向けて「全力を尽くして頑張りたい。勝負にこだわる」と決意を述べた。直近の公式戦で好成績を上げ、受験資格を獲得。若手の四段棋士5人と対局し、3勝すれば女性初の棋士となる。

 福間清麗は04年に棋士とは別制度の女流棋士になった後、棋士養成機関の奨励会に入ったが、プロ入りはかなわなかった。

 22年に編入試験を受験した際は、初戦から3連敗で不合格。当時は再挑戦するつもりはなかったが、今回、受験を決めたのは23年の結婚、24年の出産による心境の変化があったからだという。「夫が『好きなようにやったらいいよ』と声を掛けてくれた。子供が日々成長する中、自分も立ち止まっていられないと感じた」と明かした。さらに「家族の協力があって対局できているという感謝の念が強く、ミスを後悔することがなくなった。将棋に向き合う時間は減っても一手一手に集中力が増し、守るべき存在があることで精神面では強くなったと思う」と語った。

 試験官を務める5人とは現役最年少の山下数毅四段(17)と一度、練習対局をしたことがあるだけ。「全くの未知数。若手で勢いのある方たちで、厳しい戦いになる。限られた時間の中で、自分の実力を伸ばすことに全集中したい」と話した。【最上聡】

毎日新聞

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