26年度スルメイカ漁獲枠は6万トン超 「理解できない数字」懸念も
水産庁は20日、スルメイカの2026年漁期(4月~27年3月)の漁獲枠を前年当初比約3・6倍の6万8400トンに決めた。同日開催された水産政策審議会の会合で案が示され、了承された。スルメイカは深刻な不漁が続いてきたが、前年漁獲実績などを理由に大幅に引き上げた。一方、出席者の一部からは「理解できない数字だ」と資源保護の観点から懸念の声も上がった。
スルメイカは2000年漁期には約30万トンが漁獲されていたが、近年は1万~2万トン台にまで漁獲量が落ち込んでいる。不漁を受け、25年漁期は24年比76%減の1万9200トンの枠が当初設定されていた。
だが、25年は夏以降に青森県や岩手県沖で漁獲量が想定を超えて増加。小型イカ釣り漁船では割り当てられた枠を超過し、初の漁獲停止命令も出された。漁業者や国会議員らの強い要望などを受け、漁期中に異例の2回の増枠が実施され、最終的に枠は2万7600トンまで拡大した。
この日の審議会で、水産庁は26年漁期の漁獲枠を増やす理由について、これまで資源量の将来予測に基づく計算方法を用いてきたが「(予想以上の漁獲があった)25年漁期でその信頼性が揺らいだ」と説明。そのため、新たな計算方式で漁獲枠を算出したという。
出席委員からは「スルメイカの資源量は非常に厳しい状態。今は資源回復が最優先ではないか」「25年漁期は三陸沖で多少漁獲状況がよかったが、全国的ではないのではないか」といった今後の資源への影響を懸念する意見が出た。
25年漁期の漁獲量は2月12日時点で枠内の2万6700トンだった。24年漁期実績の約1・8万トンから増加はしているものの、依然として資源量は低水準だ。
また漁獲枠を大幅に減らした25年漁期より前の3年間は8万トン近くの枠を設定していたが、漁獲実績は1万~2万トン台だった。今回の決定は、実態とかけ離れた漁獲枠の復活になりかねない。【町野幸】
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