政府、石油の国家備蓄放出を開始 30日分 国内供給の安定化へ
イラン情勢の緊迫化を受け、政府は26日、石油の国家備蓄の放出を始めた。国家備蓄の放出は、ロシアによるウクライナ侵攻後の2022年以来4年ぶり。備蓄基地11カ所から計約5300万バレル(30日分)を順次放出する。すでに放出を始めた民間備蓄と合わせ、国内供給の安定化を図りたい考えだ。
愛媛県今治市の菊間基地から、隣接する太陽石油四国事業所の製油所にパイプラインを通じて放出した。
国家備蓄基地は、民間タンクの借り上げを含めて全国に20カ所ある。月内に福岡県の白島基地など9基地から放出する。4月上旬には長崎県の上五島基地と鹿児島県の志布志基地で放出を進める計画。今回放出されるのは原油で、ガソリンなどに精製したうえで市場に出回ることになる。
放出される原油は、ENEOS(エネオス)や出光興産、コスモ石油、太陽石油の石油元売り4社が随意契約で購入した。売却総額は約5400億円で、国のエネルギー対策特別会計に入る。
すでに16日から民間備蓄15日分の放出を進めていて、国家備蓄30日分と合計で約8000万バレルを放出する。さらに月内には、サウジアラビアなどの国営石油会社に国内のタンクを貸して原油を貯蔵する「産油国共同備蓄」を5日分放出する予定。
米国とイスラエルによるイランへの攻撃後、ホルムズ海峡が事実上封鎖された。原油輸入の94%を中東に依存する日本の石油元売り各社は代替調達を急いでいる。ただ早くても、日本への原油の到着は6月になる見通しとなっている。
政府はさらなる追加放出について、ガソリン以外の石油製品の供給状況なども含め、その是非を判断する方針にしている。【中島昭浩、遠藤修平】
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