ガソリン全国最安値はなぜ愛知? 東京、大阪よりも7円ほど安く

2026/04/13 16:00 

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 中東情勢の緊迫化により高騰しているガソリン価格。全国的に高止まりが続いている中、愛知県内ではレギュラー1リットル当たりの平均小売価格(6日時点)が159円50銭で、全国平均を7円90銭下回るだけでなく、全国最安値となっている。愛知はなぜ、安いのか。

 国内のガソリン価格は、2月末に米国とイスラエルがイラン攻撃に踏み切ったことで大きく跳ね上がった。経済産業省が毎週公表しているデータによると、レギュラーの全国平均は3月16日時点で1リットル190円80銭となり過去最高を更新。愛知県内の平均も前週比31円10銭増の186円70銭に達した。

 政府が石油元売り業者に補助金の支給を始めたことで値下がり傾向となり、4月6日時点の全国平均は167円40銭まで落ち着いた。県内平均も159円50銭に下がったが、イラン攻撃直前の2月最終週との比較では8円40銭高いままだ。

 ただ、愛知の平均は全国最安値となっている。東京や大阪の大都市と比較しても7円ほど、最高値の長崎県より約18円も安い。

 安さの理由は、製油所やガソリンスタンド(GS)の多さが関係しているとみられる。

 愛知から三重に続く伊勢湾沿いには、出光興産やコスモ石油といった石油元売り大手の製油所や油槽所が建ち並ぶ。このため、輸送コストが低く抑えられ、供給量も安定しやすい地理的メリットがあるようだ。

 トヨタ自動車のお膝元である愛知の乗用車保有台数(1月末現在)は約427万台で全国1位。車社会のため、GS数は北海道に次ぐ多さで1266カ所(2024年度末時点)となっている。大手だけでなく地元企業によるプライベートブランドも数多く展開されている。

 資源エネルギー庁の担当者は「給油所が多いほど競争も厳しくなり、価格は収斂(しゅうれん)されていく。1カ所当たりの販売量も多いため、(利益率を下げ)比較的安価でも戦える土壌があるようだ」と話す。

 名古屋市内では9日、全国平均を20円以上下回るレギュラー1リットル145円で販売するGSもあり、岐阜県から訪れたドライバーもいた。ただ、市内のGSで勤務する40代男性は「プライベートブランドのGSは薄利多売で戦えるのが強み。販売量が多いので、まだ元売りから供給してもらえるものの、戦争が長引けばいつ仕入れが止まるか分からない」と不安を口にする。【斎川瞳】

毎日新聞

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