プルデンシャル、被害申告新たに700件 新規販売11月まで自粛
プルデンシャル生命保険の社員らが顧客から金銭をだまし取るなどした問題で、同社は22日、1月に相談窓口を設置してから新たに約700件の被害申告が寄せられたと発表した。うち約70件は同じグループのジブラルタ生命保険に関する相談だった。これまでの被害額は約31億円だが、記者会見したプルデンシャル生命の得丸博充社長は「増加する可能性があると認識している」と述べ、親会社も「精査が必要だが、プルデンシャルに限った課題と捉えていない」と言及。被害が拡大する恐れが出てきた。
プルデンシャル生命は、1月に発表した約500人の顧客からだまし取るなどした計約31億円について、今月17日までに259人、計17億円分の審査や補償が完了したことを明らかにした。この中には補償を認められなかった顧客も含まれているという。
22日明らかにした約700件の被害申告はこれとは別で、親会社のプルデンシャル・ホールディング・オブ・ジャパン(HD)が設置した補償委員会が検証する。ジブラルタ生命に関する約70件についても、プルデンシャル生命の事案と同様に、営業社員からの投資勧誘や、投資商品の不適切なあっせん、金銭の借り入れに関する相談が含まれており、問題かどうか精査を進める。プルデンシャルHDの吉田悟取締役は「グループ全体でガバナンス(企業統治)を強化していく必要がある。非常に重く受け止めている」と述べた。
プルデンシャル生命は5月9日までの90日間、新規の保険販売を自粛するとしていたが、さらに180日間、11月5日まで延長することも明らかにした。自粛の延長について得丸氏は「現時点では、目指すべきライフプランナー(営業社員)像が会社として十分に担保できる状態に至っていないと判断した」と理由を説明した。
プルデンシャル生命はこれまで過度に営業実績と連動する「フルコミッション(完全歩合)」型に近い報酬制度を導入していた。契約獲得が全くない場合でも最低賃金相当分の給与は支払われるが、報酬は契約件数などの営業成績で大きく変動し、特に新契約の獲得数が報酬の多寡に影響したため不正の一因とされた。
今後は完全歩合制を一部改め、給与の一部を固定給にする制度を導入し、新規契約だけではなく契約の継続率や法令順守の意識など評価の視点を見直し、最終的に総報酬が増える仕組みを作るとした。
プルデンシャル生命の経営改革については親会社から副社長らを迎えたが、記者団からは「それで改革できるのか」と疑問の声が上がった。得丸氏は「改革を成し得なければ責任を取るべきだと思っている」と述べた。
金融庁はプルデンシャル生命と同HDに立ち入り検査し、営業活動の実態を調べている。悪質性が高い場合は厳しい行政処分を出すとみられる。【横見知佳、鴨田玲奈】
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