米FRB、金融政策の先行き予告を廃止 ウォーシュ氏が改革着手
米連邦準備制度理事会(FRB)は17日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を3・5~3・75%に維持すると全会一致で決めた。金利据え置きは4会合連続。同日公表した最新の経済見通しでは、年内に1回の利上げを示唆した。足元で物価上昇(インフレ)の勢いが増す中、3月の前回見通しの「年1回の利下げ」から金融政策の方向性を転換させた。
FRBは会合後の声明で、中東情勢で不確実性が高まる中、「経済活動は堅調なペースで拡大している」とした。インフレについては、原油高など特定の分野の動向が反映されているとの認識を示した。次の一手が利下げだと示唆する文言は削除した。
今回のFOMCはウォーシュ議長の就任後初めての会合だった。ウォーシュ氏は会合後の記者会見で、金融政策の先行きを予告する「フォワードガイダンス」(先行き指針)を廃止したと述べた。
最新の経済見通し(中央値)によると、年末の政策金利は3・8%で、3月の見通し(3・4%)を見直した。現在の政策金利を起点にすると、通常ペースとされる0・25%の利上げを1回実施する計算になる。2026年10~12月期のインフレ率は3・6%と予測し、3月の見通し(2・7%)から大きく引き上げた。中東情勢の混乱による原油高の影響が残ると見込んでいるとみられる。
ただ、ウォーシュ氏は「予断を持たずに毎回の会合で金融政策を議論すべきだ」との考えに基づき、自らの予測を示さなかった。見通しにはウォーシュ氏を除くFOMCメンバー18人の予測が反映されている。
一方、ウォーシュ氏は記者会見で、自身が主張してきたFRB改革に着手する方針も示した。対外的な情報発信▽FRBのバランスシート(貸借対照表)▽データの活用▽人工知能(AI)を含む生産性と雇用▽インフレの枠組み――の5分野でタスクフォース(作業部会)を設ける。2%の物価目標は見直しの対象外だという。年末までに多くの分野で結論を出してFOMCで決定する予定だ。【ワシントン浅川大樹】
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