2040年度までに官民投資370兆円超 政府支出「年10兆円」想定

2026/06/24 19:21 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 政府は24日、高市早苗首相が重視する「戦略17分野」に、2040年度までに官民で総額370兆円超を投資すると発表した。政府による支援で民間投資を呼び込む狙いがある。新たな投資に伴う政府の追加財政支出は、説明文書に「27年度以降、毎年度10兆円と想定」と明記した。

 人工知能(AI)を用いてロボットを動かす「フィジカルAI」など62製品・技術が対象で、現状認識と目標、投資額と経済波及効果などを記した工程表も策定した。370兆円超の投資額の官民負担の内訳は示さなかった。

 一方、新たな財政支出を伴うこれらの成長戦略を実行した場合の中長期的な経済・財政見通しも示した。

 政府が今年1月に公表した経済・財政見通しを基に、27年度以降、成長戦略投資で毎年度10兆円の財政支出が追加されると想定。民間需要や設備投資の増加など経済波及効果の強さに合わせ、三つの経済・財政シナリオを示した。

 経済波及効果が最も強く表れるシナリオでは、実質国内総生産(GDP)成長率は40年度に1%台後半まで高まるとした。この結果、高市首相が財政健全の度合いを測る指標として重視する「国・地方の債務残高対GDP比」は40年度に170%台前半まで改善するとした。

 政府支出を増やしても財政は中長期的に健全化するとの高市首相の思惑通りの将来像を示した形だ。

 経済波及効果が最も弱く表れるシナリオでは、40年度の実質GDP成長率は0%台前半、債務残高対GDP比は190%台後半とした。

 追加財政支出で想定した10兆円は26年度の一般会計当初予算の1割弱に匹敵する規模で、財政悪化懸念を招く恐れがある。ただ内閣府は「機械的に設定した」と説明しており、実際の規模がどうなるかは不透明だ。【大原翔】

毎日新聞

経済

経済一覧>