中島健人、U:nityに証明したアイドルのプライド “愛する仲間”に向け「RUN」熱唱【ラ…
ソロデビュー後初ライブ『KENTO NAKAJIMA 1st LIVE 2025 "N/bias”』最終日公演を開催した中島健人 撮影:田中聖太郎
【写真】美しいライブパフォーマンスを魅せる中島健人
メインステージ正面の扉が開き、白と銀に輝く衣装をまとった中島が現れると、堂々たるウォーキングでそのままセンターステージへ。手招きする仕草で歓声を呼び寄せ、その熱気が最高潮に達したとき、アカペラで「ピカレスク」の一節を力強く響かせれば、388日ぶりのファンとのステージが開幕する。
ダンサーたちも加わり、演説台や、ライブ配信や検索バー、SNSを思わせるスマホ画面に映し出された歌詞モニターなどところどころに遊び心をしのばせながら、中島いわく「悪魔的セットリスト」を激しいダンスパフォーマンスで展開していく。それに応えるようにU:nityが照らし出す銃型ペンライト「ピカレスクの銃口」の光が圧巻の光景を作り出す。
うっすらと汗をにじませ、舌ペロしたりクールなハートポーズを魅せたり…。モニターに映し出されるたびに射抜かれたような歓声と、男性からも力強い「ケンティー!」と絶叫する声がこだまするなか、さらに会場は熱気に包まれた。
「SHE IS…LOVE」では、まさかの天井から両足ギリギリのスペースに乗った中島が吊り下げられ、会場を浮遊。そのままMCを始めたかと思えば「このNフライングの行き先知ってる?このフライングの行先はお前の心の中だよ」と余裕の表情。「何度やっても楽しいわ。これすごいよね」「やべぇ、今最高に気持ち良い!」と文字通りアリーナの“ど真ん中”で歓声を浴び、恍惚(こうこつ)の表情を浮かべた。
MCの延長で乱入してきたダンサーたちと軽妙な掛け合いがありつつ、センターステージにソファや机を次々にセット。制止する中島のジャケットを着替えさせ、汗を拭き、髪その場でブロー。メガネをかける“お色直し”やセット転換さえもエンターテイメントのひとつとしてその場で展開する。
29歳で作詞作曲した「Scene29」はセピア色のライトに照らされた中島が幼少期からこれまでの思い出アルバムを背にその歩みを優しく回想する。曲中にはカメラで自分を撮影し、ポラロイドと「愛してる」の直筆メッセージが映し出される。「Jasmine Tea」はステージ上の電話越しに、恋人を思われる相手に向け甘い会話を交わしたり、「ROSSO」では、女性ダンサーと誘惑的に絡み合うダンスもあり…30歳となった今だからこそできる、曲ごとに違った表情を魅せていく。
「Jealous」ではポップアップで登場しさわやかな歌声とパフォーマーのソロダンスをはさみながら、会場のテンションを高め、「THE CODE」では一転、ダークでミステリアスな世界観に没入。センターステージに浮かび上がったNのロゴの上に乗って、旗をはためかせ、黒の軍服風衣装の中島がさっそうと姿をみせればその存在感を放った。
そんななか、「ファタール」では【推しの子】オープニング主題歌として注目を集めたユニット・GEMNよりキタニタツヤがサプライズ出演。息ぴったりで激しいダンスを披露した。すると、まさかのキタニも中島とトロッコに乗車し、アリーナのU:nityへとごあいさつ。ちゃっかり携えた「ピカレスクの銃口」を会場めがけて撃ちまくり、それに応えて倒れるファンをみてキタニは「みんなのノリ、健人さんに似てない(笑)?」と確認すると中島は「好きな人同士似るのよ」とサラッと告白。キタニは「楽しいけど疲れるね」と正直に答えて笑いを誘った。
終始、少年のような笑顔ではしゃぐ中島にキタニは「このひとがずっと楽屋でニコニコしてる理由がわかったよ!よかったな!」と冷やかす。中島の幸せそうな表情を間近で見守ったキタニは、固い握手をかわして中島をラストスパートへ向かうステージへと見送った。
「Hey!! Summer Honey」や「Black Cinderella」などグループ時代のソロ曲で中島の歴史を感じさせたあとは10分にもおよぶ決意表明が。グループを卒業し、ソロとして歩みだした1年を振り返り、葛藤もにじませながら「止まるわけにいかないし。一気に環境が変わっても。俺は負けないし、変わんないわ。死ぬまでアイドルだわ。俺の覚悟は本物だから」と涙ながらに訴えれば、会場からは大きな声援が飛び交った。
アンコールは「CANDY ~Can U be my BABY~」からスタート。「LOVE KENTY!」の掛け声が楽しいこの曲では、19歳のときに初めて使ったキャンディーを手に「原点回帰です」と笑顔。そして“ちょっと大人のアイドルソング”として人生初の自分で振り付け・構成を手がけた「Unite」と中島のアイドル人生を垣間見せるような2曲となった。
一度ステージから去ったあと大きな「健人コール」が沸き起こるなか、再び登場した中島は「今も頑張ってる、愛する仲間に…届いてるかな」と切り出した。Sexy Zone時代の名曲「RUN」のイントロが流れた瞬間、この日一番のどよめき、泣き出す人も数多くみられた。ここまでのこだわりの演出から一転、マイク1本、ただ、その歌声で多くは語らずとも感情を爆発させた。
「生きててよかったなって思います。本当に、とにかく、きょうまでの日々が楽しくて。U:nityのみんなに会えるっていうのが、すごくうれしくて。日々、どんなことをしたらみんな喜んでくれるかなっていつも考えていました」
最後のあいさつのなかで、そう、まっすぐに伝えた中島はその言葉どおり、会場のファン全員を幸せにすることに全力を尽くしていた。過酷なセットリストを華麗に完遂し、どんな瞬間もいつでも“中島健人”を崩さない。会場を駆け回り、飛び回る。そんな中島のアイドルとしてのプライドを証明したライブを経て、新たな一歩を駆け出した。
同ライブは17日から19日まで開催され全3日程4公演・計6万人を動員。公演ラストには今年4月から大阪・フェスティバルホールを皮切りに全国7都市12公演をまわる全国ホールツアー『KENTO NAKAJIMA 1st Tour 2025 “N/bias”巡』の開催も発表された。
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