引きこもり→V系バンドマンに転身、20キロ減量で美容を追求した男性の今「変わらない性格の中…

2025/03/19 07:00 

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学生時代のヒィロさんと現在のヒィロさん

 学生時代と現在の姿を比較したビフォーアフター写真が「努力の積み重ねですね」「本当に尊敬でしかない」「今年一番の衝撃を受けました」と話題に。投稿したのは、エステティシャンとして活動しているヒィロさん。学生時代にビジュアル系バンドマンに憧れたヒィロさんは夢を追いかけ、20kgもの減量に成功。そこから美を追求し、バンドマンになる夢をかなえ、渋谷公会堂のステージに立つなど音楽活動で大成功を収めた。その後、美容業へ転身し “渋谷の神”と呼ばれるほどのカリスマエステティシャンに。そんなヒィロさんに、美容を追求し始めたきっかけやコンプレックスに対する考え方について、話を聞いた。

【写真】眼鏡男子がヴィジュアル系美青年に大変貌…ヒィロさんの垢抜けビフォーアフター

■惰性で生きていた過去も…「ただ純粋にテレビに出ていたバンドマンみたいになりたかった」

――Xに投稿されている学生時代と現在とのビフォーアフターが、「別人級!」「垢抜け具合がすごすぎる」と話題になっています。このような反響を受けていかがでしょうか?

【ヒィロさん】自分自身はなにも変わらないです。周りの声とかどうでも良いと思っている性格なので(笑)。きっとバンドを仕事として生きてきたこともあるので、瞬間風速が高まっても「話題は流れていくものだから固執しない」として、基本的に冷めています。上がり下がりを経験して、バズるとかどうでも良くなってしまいました。ただ、誰かが見た時にクスッと笑ってもらえたら嬉しいです。「このおデブちゃんがこうなったか! よくわからないけど面白いね」だったり、「こんなおデブちゃんがヴィジュアル系バンドマンや美容業になれるって、なんか夢のある話だよな」みたいな。動物園やエンタメとして笑ってほしいです(笑)。

――ヒィロさんが美容に目覚めていった理由・垢抜けていくきっかけとなったエピソードについて教えてください。

【ヒィロさん】太りすぎていじめられて、4年間引きこもり、ヴィジュアル系バンドマンになる夢を見つけて、そのためにダイエットをしました。バンドマンになった後は見られる立場なので美容に目覚めて、バンドで夢を叶えつつ挫折して美容業に転身して。こんな感じなので、「どこで垢抜けていった」とかは、もはやわからない状況です。ですが、ただ純粋に、テレビに出ていたバンドマンみたいになりたかったんです。とても輝いて見えました。当時の僕は生きる自信がなくなってしまっていたのですが、怖くて死ねなかっただけで、惰性で生きていました。光の当たらないどん底にいたから、僕も光りたかったんだと思います。「ないものねだり」がすべてのきっかけです。

――Xでは「元ひきこもりでぽっちゃり」だったと投稿されていますが、子どもの頃はどんな性格でしたか?

【ヒィロさん】今も昔も変わらず、「陰キャラ」だと思います。オタク気質というか、極めることが好きというか。僕は前職がバンドで、今は美容業なのですが、両方オタクじゃないと仕事に出来ないと思うんですよ。きっと食に関しても、食べることが好きだったので、ポテチの美味しい食べ方を追求して、その先にバターやチーズ、マヨネーズをつけて一緒に食べることが美味しいと感じ、着実に太っていったのでしょうね。笑

■周囲からの心ない言葉で不登校になった過去も…夢を追いかけて20kg減量

――周囲からの言葉や態度で傷ついたことや精神的に辛い経験などもあったのでしょうか?

【ヒィロさん】嫌なことはあんまり覚えていないのですが、きっと多々言われてきたと思います。ですが、どうでも良いことは忘れるクセがあるのと、今の人生はいじめられて引きこもった先にあるものなので、逆に感謝もしていたりします。太っていて、いじめられたおかげでバンドマンになれたし、美容業にもなれました。軽く思い出してみるとデブとか死ねとか消えろとか激しい言葉よりも、太っていたせいかマラソン大会の後の毎回吐いていたので、小学5年のときに行きたくなくてサボったら「太ってるからサボったんでしょ?」や給食でおかわりしまくっているときに「そんなに食べるから太るのよ」と先生に言われたことの方が記憶に残っています。

――同級生よりも先生に言われた言葉の方が記憶に残られているんですね。

【ヒィロさん】同級生の攻撃力のあるワードは所詮マシンガンみたいなもので、傷は浅いのですが、それよりも大人に言われるワードが「ナイフで内蔵ぶっさされるぐらい」痛かったです。同級生に言われた浅い傷と先生に言われた深い傷が組み合わさって、ここにいると自分が死ぬか相手を傷つけてしまうかも、とよくない方に考えてしまっていたので不登校となり、「自ら場所を退いた」とも言えます。当時は「不登校は悪だ!」と言われている時代だったので、高校の友達には大人になるまで「学校に行っていたフリ」を演じていましたが、それも今では良い思い出です(笑)。

――そんな経験を経て、大きくビジュアルが変化したのは、何歳ごろのことだったのでしょうか?

【ヒィロさん】小学5年の途中から中学卒業まで引きこもっていたのですが、当時は身長155cmぐらいで体重MAX70キロほどだったかと思います。中学3年の途中でヴィジュアル系バンドマンになる夢を見つけたので、その辺から食べる量を一気に減らしたり。高校から本格的にダイエットをしたのと成長期が重なったので、1年で20キロ近く落ちましたね。あとは、バンドマンのようなサラサラロン毛になるために、髪の毛も気にするようになりました。今は172センチ、55〜57キロを10年以上キープしています。ヴィジュアル系が好きなので、ここは維持したくて。年をとるのに抵抗はないのですが、おっさんではなく、「キレイなおじさんになりたい」と思って気をつけています。

――現在の姿となるまでに、どのような努力をされたのでしょうか?実践されたことについて、教えてください。

【ヒィロさん】ダイエットに目覚めた高校時代は帰りの電車で2駅前に降りて、ひたすら歩いていましたね。音楽が好きだったので、CDウォークマンでアルバム2〜3枚を聞き終わる頃に帰る感じで、ダイエットと言うよりも「音楽を聴く時間で、勝手に足が動いている」ので全然辛くなかったです。ある程度大きくなってからは色々とやりました。化粧品、サプリ、海外の怪しい薬(違法ではないもの)、エステ、美容クリニック、ジム、など美容・健康・痩身にまつわるものは一通りやったのではないでしょうか。この辺、オタクで良かったと思っています。

――バンドマン時代はいかがでしたか?

【ヒィロさん】バンドマンの頃はストイックでしたね。ツアーやワンマンライブの後に家に帰らないで、そのままジムに行ったりしていましたから。ただ、疲れた状態でいっても、効率が良くなかったと思います。今は「どうやったら自分の細胞が良い方向にいくか」をある程度理解しているので、食べる量や運動量、睡眠時間や質、などコントロールできるようになりましたね。夜中にポテチを食べながらでも。

■「コンプレックスを原動力にすれば、どんなことも前向きに考えられる」

――美容を追求していく上で、ご自身のコンプレックスに感じるようなパーツや部分はございましたか? 

【ヒィロさん】全部ですね。僕は過去に容姿をいじられたせいで人格が破綻したので、全部気になりますし、体も心もすべてがコンプレックスの塊です。「コンプレックス=俺の存在」と言えるほど(笑)。ただ、例えば、僕は顔が面長で、若い頃に自動ドアに全速力でぶつかって骨折した影響で鼻が曲がっているのですが、それをカバーするために前髪の分け目を左目の黒目の上にして、8対2のバランスで被せて、ナナメ上から頭頂部の髪の毛を乗せるとかすれば、ごまかせるんですよね。小顔にしたいから顔を全部削ればいいというわけではなくて、「顎の前部分の肉は残して、顎の裏側と首と耳下を削る」と顔と首が立体的になって、顎下に影が生まれ、結果的に小顔になったり。ただ削っても貧相になったり、バランス悪くなって逆効果なんですよ。その人の輪郭にあった削り方が必要だと思います。

――Xには、「今でも美容コンプレックスの塊ですが、とても前向きです!」というコメントもありました。コンプレックスを前向きに捉えられるようになった理由について教えてください。

【ヒィロさん】「コンプレックスを解消しようと思わないこと」じゃないですか? 一生消えないし、消えるものはコンプレックスじゃないですよ(笑)。別にコンプレックスがあってもいいと、自分を肯定すること、受け入れることじゃないでしょうか。あとは恐怖や不安を自分に刻み込むことじゃないですかね。「もう戻りなくないでしょう?」みたいな。僕は一生消えない美容コンプレックスに囲まれながら、追い詰められながら死んでいくと思いますよ。解消できないまま。でも、それでいいんじゃないですか。美容が気になるからキレイになりたい、痩せたいのでしょう。悔しさを原動力に変えていけばいいと思います。

――ヒィロさんにとって美容はどのような存在でしょうか?

【ヒィロさん】僕は一生美容を恨んでいくと思います。こいつのせいで僕の楽しかった学校人生が消えたんで。でも、それと共に美容に一生感謝していきます。このおかげで、僕はインタビューのお仕事をいただけたり、ヴィジュアル系バンドマンになる夢を見つけ、叶えられたから。そして、こうして美容業として「自分の同じ悩みをもつ仲間たちと共に歩く道」を生きられているから。コンプレックスを原動力にしていけば、どんなことでも前向きに考えられるのではないでしょうか。

■自分の努力を一番知っているのは自分「がんばった自分をいっぱい褒めてほしい」

――美を追求し、憧れのビジュアル系のバンドマンとなり、渋谷公会堂のステージに立つなど音楽活動で大成功しました。その後、現在は、“渋谷の神”と呼ばれるほどのカリスマエステティシャンに。垢抜けに成功したのち、性格や心境の変化はございましたか?

【ヒィロさん】何も変わってないと思います(笑)。性格なんて変われるわけがなくて、「変わらない性格の中で生き方を変えていく」しかないんです。だから、今は「誰かを救いたい」と本気で思っています。音楽でも美容でも「世界を変える」なんて大層なことが出来ない現実を知ってしまった分、「目の前にいる誰か」を救いたいんです。「救う」って「助ける」とは違くて、「寄りそう」、「共感する」、「痛みを理解する」も救うだと思うんですよ。これは、持論なのですが、太ったり外見をボロクソに言われた経験がある人しか、「美容で悩む人の心は救えない」と思うんです。だから僕は自己を開示したうえで「まぁ、キミのこと全部はわからないけど、俺も美容で死にたくなったからわかるところもあるよ。で、どうしたの?」って手を差し伸べたいです。

――エステティシャンとして日頃から多くの方の悩みに応えられていると思いますが、「なかなか垢抜けられない」と見た目へのコンプレックスへ悩む方へ、どんな言葉をかけていきたいですか?

【ヒィロさん】「なんとかなるよ」と言いたいですね。「絶対に変われるよ」なんて口が裂けても言えないし、そんなやつは信用出来ない。「垢抜け」という言葉は流行っていますが、これって誰かの意見じゃないですか? そこを誰かの声、ではなく「主観として捉えてほしい」です。昨日ご飯少なくしたこと、帰り道を少し遠回りして歩いたこと、電車で座らないで立っていたこと、頑張ってお風呂につかったこと、自分の努力は「自分が一番知っている」と思うんです。だから、主観で垢抜けたと思えれば、それでいいんじゃないでしょうか。どうか人の声に惑わされないでください。コンプレックスを否定せずに受け止めて、がんばった自分をいっぱい褒めてください。

――ヒィロさんの今後の目標や夢を教えてください。

【ヒィロさん】僕はあと何年美容業ができるかわからないけど、この場所にいる間は美容で悩む子たちをソッと支えたいと思っています。「美と健康を生きる力に変える」が僕の美容業の理念なので、キレイのサポート役として、生きる力を与えるために続けていきます。
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