飛行機を支える「縁の下の力持ち」を再利用 車輪止めを荷札に

2025/03/19 09:37 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 全日本空輸グループの「ANA成田エアポートサービス」が、駐機中に動き出さないように航空機のタイヤを固定する木製の車輪止め「チョーク」を使ったタグ(荷札)とキーチェーンを作った。チョークは丈夫な外材でできているが、擦り減るなどして1年前後で廃棄される。現場の若手が安全を支える「縁の下の力持ち」を有効活用できないかと発案し、実現した。

 チョークは高さ約14センチ、縦約16センチ、横約60センチ、重さ約6・8キロ。1年前後で1キロ以上減るといい、成田空港だけで年間約150本が焼却処分されている。脱炭素を進めるためにも再利用するべきだと考えた企画部企画課の中村啓佑さん(36)が社内勉強会の仲間に相談。2023年6月から賛同した5人と手分けをし、木材加工会社を営む元同僚を頼って作れそうなものやデザインの検討を重ねた。並行して、社内提案に向けて企画書にまとめるなどの作業も進めてきた。

 タグは航空券をイメージしたデザインで、縦6・9センチ、横3・4センチ、厚さ0・6センチ。滑走路を描いたキーチェーンは縦7・1センチ、横1・5センチ、厚さ0・6センチ。製作した計600個は非売品としてグループ会社の地域活動や採用活動での配布などを予定している。

 総務部空港政策推進課の宮本浄滋さん(43)は「チョークは雨の日も風の日も飛行機を支えている。ぜひ縁起担ぎにしてもらいたかった」と話した。中村さんも「空の旅を支えてきたチョークなので、お守りのように思って長く持ってもらえるものを今後さらに考えていきたい」と話している。【合田月美】

毎日新聞

経済

経済一覧>

写真ニュース