公示地価、4年連続上昇 上昇率2.7%、バブル期以来の伸び
国土交通省が18日公表した公示地価(2025年1月1日時点)は、全用途の全国平均が前年比で2・7%上昇した。上昇幅は全用途、住宅地、商業地のいずれも4年連続で拡大し、バブル期だった1991年(全用途平均11・3%)以来の大きさとなった。
住宅地(全国平均)は、上昇幅が前年の2・0%から2・1%に拡大した。東京圏や大阪圏を中心に住宅需要が堅調で、交通利便性の高さや子育て政策の充実などから流入人口が増えている千葉県流山市や兵庫県明石市などで上昇が目立った。名古屋圏や地方4市(札幌、仙台、広島、福岡)は上昇幅が縮小した。
商業地(全国平均)も、前年の3・1%から3・9%に拡大。主要都市では店舗やホテルなどの需要が堅調で、オフィス空室率の低下と賃料の上昇傾向が続く。インバウンド(訪日外国人客)が増えている観光地の上昇も顕著で、東京・浅草地区や、城崎温泉がある兵庫県豊岡市も大きく伸びた。
自治体別にみると、住宅地は30都道府県で上昇。このうち沖縄県(7・3%)が最高だったほか、滋賀県が新たに上昇に転じた。県庁所在地別では福岡市(9・0%)、東京23区(7・9%)、仙台市(6・3%)の順だった。商業地は34都道府県で上昇し、山形、富山、長野、香川、宮崎の5県が上昇に転じた。
上昇率トップは、住宅地が北海道富良野市の31・3%で2年連続。2位は長野県白馬村の29・6%、3位は沖縄県宮古島市の23・1%と続いた。いずれも観光地で外国人向けの別荘需要が高まっていることなどから大幅に上昇した。
商業地の1位は北海道千歳市で48・8%。2位、3位も同市が続き、次世代半導体の国産化を目指す「ラピダス」の工場進出に伴う旺盛な需要が反映された。
一方、24年1月1日に発生した能登半島地震の影響が今回初めて反映され、住宅地の下落率上位10地点はいずれも石川県だった。商業地の下落率が最も高かったのは、石川県珠洲市でマイナス16・8%。震災の影響を加味していない前年(マイナス7・7%)に続いて下落率が最高だった。
全国の最高価格地点は、商業地が19年連続で東京都中央区銀座4の「山野楽器銀座本店」。1平方メートル当たりの価格は6050万円で、前年比480万円(8・6%)上昇した。住宅地は東京都港区赤坂1のマンションが1平方メートル当たり590万円で前年比55万円(10・3%)上昇し、8年連続で首位だった。【佐久間一輝】
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