中堅・中小企業の9割「新卒採用厳しい」 計画通りに採用できず
東京商工会議所は17日、2025年新卒者の採用に関する調査結果を発表した。中堅・中小企業の9割以上が新卒採用について「厳しい」と感じ、約4割の企業が計画の半数に満たない人数しか採用できていないという。人手不足が続き、中堅・中小企業が新卒採用に苦戦している様子が浮き彫りになった。
今年1月24日に東京都内で開かれた就職関連の催しに参加した、東商の会員企業303社を対象に実施。270社から回答を得た。
25年新卒者の採用環境をどのように感じるか聞いたところ、71・9%が「とても厳しい」と答えた。24・5%は「多少厳しい」と回答しており、この二つを合わせると96・4%が「厳しい」と感じていた。
昨年12月の段階で、計画した採用数に対し、実際にどの程度採用できているか聞いたところ、計画の半数に満たないと回答した企業が40・3%に上った。内訳は「1~29%」が12・3%、「30~49%」が13・4%。内定者がいない「0%」も14・6%に上った。
これに対し、充足率が「100%」と回答した企業は9・5%、「100%超」と回答した企業は4%にとどまった。9割近くが計画通りに採用できていないようだ。
内定者や内々定者のうち、辞退者がいると回答した企業は73・1%。9割以上の企業が定期的な連絡や懇談会、会社見学会を実施し、内定辞退を食い止めようとしている。しかし、4社に1社が内定・内々定者の半数以上に辞退者がいると回答した。
人手不足が続く中、大企業では初任給を引き上げる動きが相次いでおり、中小との格差が懸念されている。
だが、今回の調査では、25年新卒者の初任給を引き上げた(予定を含む)と回答した企業は55・6%に上り、引き上げ率も「3%以上」と回答した企業は50・7%となった。東商の担当者は「中小は人材を確保するため、初任給の引き上げに取り組んでいる」と話す。【道永竜命】
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