店舗数ゼロ4県に 苦境に立つ百貨店業界、全国でも25年で4割消滅
百貨店がこの四半世紀で4割以上消滅している。自宅にいながらボタン一つで買い物ができる時代。近年は人口減少、高齢化などが進む地方で閉店が相次ぎ、「百貨店ゼロ」の都道府県も増えている。
百貨店の歴史は古い。「三越呉服店」が1904(明治37)年に「デパートメントストア宣言」をしたことが百貨店の始まりとされる。日用品から高級商品まで取り扱い、経済産業省によると、売り場面積が東京特別区及び政令指定都市で3000平方メートル以上、その他の地域で1500平方メートル以上の事業所などと定義されている。
百貨店は戦後の経済成長に伴い、都市部を中心に繁栄。しかし近年は郊外の複合型ショッピングセンターの台頭やオンラインショッピングの普及などで苦境に立たされている。
日本百貨店協会によると、百貨店の店舗数はピークだった1999年の311店から2024年12月末時点で178店に減少。売り上げも91年の9兆7130億円をピークに下がり始め、直近5年間は約4兆~5兆円台で推移している。
流通業に詳しい日本経済大の西村尚純教授は「都心の百貨店がインバウンド、若手富裕層をメインターゲットにする中、地方の百貨店は都市部に比べてインバウンド需要も少なく、少子高齢化の影響を最も受けている。経営体力のあるうちに手を打たないと行き詰まり、規模縮小がさらに進むかもしれない」と指摘する。
20年には大沼山形本店(山形)、そごう徳島店(徳島)、24年に一畑百貨店(島根)、岐阜高島屋(岐阜)が閉店し、百貨店がゼロの都道府県が4県に増えている。【渋谷雅也】
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