宿泊者数46位の徳島に新ホテル 26年5月完成 県の補助制度第1号
宿泊施設の新増設を促す徳島県の補助制度を使った初のホテルが近く、徳島市に建設される。補助制度は2020年4月に創設されたが、新型コロナウイルス禍もありこれまで交付された施設はなく、今回が初めて。ホテルや旅館などの宿泊客数が全国で下位に低迷する徳島県だけに、期待を集めている。
第1号となるのは、徳島市仲之町1に建設される「COZY COMFORT HOTEL」(コジーコンフォートホテル)。20年4月まで同じ場所で宴会場や大浴場も備えたホテルを運営していた白水園(新開正実社長)が建設する。
同社や県によると、現在は更地となっているホテルの跡地約1000平方メートルに、16億円の事業費を費やして10階建てホテルを26年5月に完成させる。シングルやツイン、スイート計125室を設け、最大216人収容。同年7月に開業を予定している。
同社が申請していたのは、県宿泊施設投資促進事業補助金のうち、「宿泊主体型ホテル区分」。朝食を提供するレストラン施設は設けるが、宴会場はない。「50室以上または収容人数100人以上」などの要件を満たし、県は11日に事業費の5%に相当する8000万円の交付を決めた。
新開社長は「徳島市内では、学会やスポーツ大会、コンサートなどがあるとホテルが満室になり、香川県など県外で部屋を探す宿泊者もいる。こうした理由で徳島市内でのイベント開催が敬遠されることもあるので、部屋を取りづらい状況の緩和につながれば」と話している。
宿泊施設整備に関連した徳島県の補助制度を巡っては、「宿泊主体型ホテル区分」のほか、24年7月には最大10億円を補助する「高単価ホテル区分」も新設された。4月1日には5室程度でも客単価の高いホテルなら最大5000万円の補助を受けられる「小規模高単価ホテル区分」をさらに設ける予定で、県は富裕層を含む観光客を受け入れる施設の整備を促す方針だ。
観光庁がまとめた24年の宿泊旅行統計調査(速報)によると、徳島県内での日本人と外国人の延べ宿泊者数は261万5700人で23年比11・9%増だったが、47都道府県中では46位となった。【植松晃一】
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