うつぶせ寝で乳児死亡 元保育施設長ら、業過致死容疑で送検 東京
東京都世田谷区の認可外保育施設「託児ルームバンビーノ」で2023年12月、生後4カ月の男児をうつぶせで寝かせて死亡させたとして、警視庁北沢署は18日、元施設長の男性(59)と、その息子で元職員の男性(24)=いずれも東京都東村山市=を業務上過失致死容疑で書類送検した。
書類送検容疑は23年12月13日午後、元職員の男性が施設内で男児を布団にうつぶせで寝かしつけ、呼吸や顔色の確認を怠り男児を死亡させたとしている。元施設長の男性は、この元職員らに対して、乳幼児の安全な寝かせ方の指導を徹底しなかったとしている。
捜査関係者によると、男児は鼻や口が塞がったことで窒息死した可能性が高いという。元施設長と元職員はいずれも、任意聴取に容疑を認めていたという。
国の事故防止ガイドラインは窒息や乳幼児突然死症候群(SIDS)の危険性を考慮し、原則として保育施設で乳児をうつぶせで寝かせないことを求めている。元職員は午後2時ごろから男児を寝かしつけ始め、午後3時過ぎに男児が息をしていないのに気づいた。元施設長はその間、園児の送迎で一時外出していたとされる。
世田谷区は24年9月に事故の検証報告書を公表。事故当日、乳幼児らの睡眠の記録が午後1時以降は取られておらず、男児の保護者からの要請に反して、普段からあおむけ寝を徹底していなかったと指摘。元施設長は施設を不在にすることが多く、「保育経験の浅い職員による保育が常態化していた」と問題視した。
事故後、遺族は男児の名前を「真渚己(まさき)ちゃん」と公表。真渚己ちゃんの母親は18日、毎日新聞の取材に「悲しみは全くいえない。本当なら1歳になってできることも思い出も増えていたはず。ずさんな保育をした関係者に責任をとってもらいたい」と話した。死因が特定されていないなど、区の報告書にも不十分な点があるとしてさらなる調査を求めている。【菅健吾】
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