図工教室のある“職住一体”ジグザグハウスの秘密とは【渡辺篤史の建もの探訪】

2025/05/09 10:40 

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ジグザグの平屋=「-静岡県裾野市・村井邸-」(C)テレビ朝日

 俳優・渡辺篤史が案内役を務めるテレビ朝日の人気番組『渡辺篤史の建もの探訪』(毎週土曜 前4:25)10日放送回では、静岡県裾野市に建つ職住一体の住宅「村井邸」を紹介する。

【写真】1階のアトリエなど「-静岡県裾野市・村井邸-」

 広い敷地を活かしたこの平屋は、ひとつながりの細長い空間を2か所で折り曲げた“ジグザグ構造”が最大の特徴。建築家夫妻が自ら設計し、それぞれ異なる用途を持つ3つの領域──<交流>、<生活>、<休息>──を巧みに共存させた空間構成となっている。

 道路側に位置する<交流スペース>は、設計事務所を兼ねた図工教室としても機能しており、週3回、小学生以下の子どもたちが通う。壁一面に造作本棚が並び、複数の机や椅子が配置された空間はまるで学校のよう。床にはモルタルを用い、日々の活動による傷や汚れにも強い仕様とされている。

 このスペースと中央の<生活スペース>を隔てるのは、紙製のユニークな暖簾。設計途中で不要となった図面を再利用し、手作業で制作された一点ものだ。生活エリアとなるLDKは約22畳の広さで、全長4.5メートルのアイランドキッチンが主役。床はスギ無垢材を使用し、キッチン部分のみを一段下げてモルタル仕上げに。空間のメリハリと使い勝手の両立を図っている。

 一番奥に配置された<休息スペース>には、視覚効果を活かして広がりを感じさせる洗面・浴室があり、浴槽は置き型を採用。続く廊下はワードローブを兼ね、そこに最小限の広さで整えられた3つの個室が並ぶ。全体としては「職住一体」でありながら、暮らしの快適性と仕事場の機能性を共存させた、理想的な住まいとなっている。

竣工:2023年8月
敷地面積:493.0平方メートル(149.1坪)
建築面積:113.9平方メートル(34.5坪)
延床面積:104.0平方メートル(31.5坪)
構造:木造在来工法
設計:村井之俊+村井藍/アトリエ奏
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