カンヌから日本映画と文化を世界へ発信「JAPAN NIGHT」MEGUMI、賀来賢人、山田…

2025/05/18 06:10 

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カンヌで国際文化交流イベント「JAPAN NIGHT in Cannes 2025」開催(C)Rakuto Makino

 「第78回カンヌ国際映画祭」(5月13日~24日)が開催されているフランス・カンヌのホテル・マルティネスで、国際文化交流イベント「JAPAN NIGHT in Cannes 2025」が現地時間16日に開催された。主催は、俳優・プロデューサーとして活躍するMEGUMIが代表を務めるKICKY。イベントレポートが到着した(以下、敬称略)。

【画像】山田孝之や賀来賢人ら主なイベント登壇者の写真

■MEGUMIによるウェルカムスピーチで開幕

 イベントは、MEGUMIが着物姿で登壇し、英語でのスピーチからスタート。「Cinema has always connected us across languages and cultures.(映画は常に言語や文化を超えて私たちを結びつけてきました)」と語り、「新たな友情、対話、そして国境を越えた創造的なコラボレーション」を生む場となることへの期待を込めた。日本酒による“おもてなし”とともに、MEGUMIのかけ声で「KANPAI(乾杯)」と唱和。会場内は、日本文化の多様さと奥深さを映し出すプロジェクションマッピングで彩られ、“食”を通じて日本の美意識を伝える特別なコンテンツが提供された。

■映画関係者によるプレゼンテーション

 続いて、国内外で活躍する映画関係者によるプレゼンテーションが行われた。映画監督の宇賀那健一が自身の作品と活動について紹介した後、木村太一監督、遠藤久美子監督とともに、日本映画の独自性や国際的な発信力について語り合った。

 俳優の山田孝之と阿部進之介は、クリエイターの発掘・育成を目的に立ち上げた短編映画制作プロジェクト『MIRRORLIAR FILMS』を紹介し、「僕らは大きな使命を持ってカンヌ国際映画祭に来ました。映画祭でショートフィルムを買って、『MIRRRORLIAR』として配信・上映するためにショートフィルムを探しています」と呼びかけ、プロジェクトの今後の展望を明かした。

 さらに、Netflixシリーズ『忍びの家 House of Ninjas』でタッグを組んだ俳優の賀来賢人とデイヴ・ボイル監督が登壇し、グローバル展開を見据えた日本コンテンツの可能性について語った。賀来は「5年後には、アート映画から超大作まで、多彩なラインナップを世界中の観客と共有できるスタジオになることをビジョンとしています!」と述べ、会場の注目を集めた。

 カンヌ国際映画祭を主催するユニフランス代表のダニエラ・エルストナーも登壇し、日本映画の国際展開に対する期待と、文化交流の重要性についてコメントした。

■多角的に広がる日本の発信力

 イベント後半では、国際展開を視野に映像プロジェクトに取り組む太田信吾(映画監督/俳優)、中西舞(映画監督/脚本家)、長谷井宏紀(映画監督)が登壇。また、『怪物』『ゴジラ-1.0』などの話題作を手がけた山田兼司(映画・ドラマプロデューサー)、竹中香子(テレビ・映画プロデューサー)、柳本千晶(映画・映像プロデューサー)の3人のプロデューサーが登場し、それぞれの立場からグローバル展開を見据えた取り組みが紹介された。

 さらに、IPホルダーとして中山結衣(講談社・編集者)、坂本達夫(コミスマ株式会社代表)も参加し、IP活用の可能性について語った。会場では、大衆演劇によるライブパフォーマンスも披露され、庶民の文化として受け継がれてきた舞台芸術の力強いエネルギーが、会場に鮮やかな熱をもたらした。

■カンヌ国際映画祭正式出品作品の監督・俳優が登壇

 イベント中には、今年のカンヌ国際映画祭に正式出品された日本映画の関係者も駆け付けた。カンヌ・プレミア部門に正式出品された『恋愛裁判』の深田晃司監督が登壇し、「この『恋愛裁判』の企画が始まってから9年経っているように、この場が10年続くことで、新しい場が実ってくることと思います。この場で生まれた企画が実るように、JAPAN NIGHTも続いてほしいと願っています」と述べた。

 また、監督週間に選出されている『見はらし世代』の団塚唯我監督と主演の黒崎煌代も登壇。黒崎は「小学生の頃から映画小僧だったので、初めてのカンヌ国際映画祭で夢のような時間を過ごし、映画を好きで良かったと実感する日々を過ごしています」と語り、団塚監督も「カンヌ国際映画祭の監督週間で上映でき、すごくうれしいです。日本では秋頃に公開するので、ぜひ観てください!」と来場者に作品をアピールしていた。

■伝統と現代が響き合うフィナーレ

 イベントのラストを飾ったのは、DJ/KIMONO STYLISTとして多彩に活躍するマドモアゼル・ユリアによるDJパフォーマンス。彼女ならではの視点で日本の伝統と現代カルチャーを再構築した音楽で会場を盛り上げた。

 日本映画および日本文化の魅力と多様性を世界に発信し、映画をはじめとする各産業における国際的な文化交流と理解の促進を目的に開催された同イベントには、世界各国の映画関係者やメディア、政治・経済分野のリーダーら約1000人が来場。日本ならではの感覚に触れながら、国や文化の垣根を超えた、参加者同士の活発なネットワーキングの場となった。
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