ヴィッセル神戸・大迫、目覚めの2発 「根性。それが一番大事」

2025/05/17 19:52 

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 ◇◯ヴィッセル神戸3―2ガンバ大阪●(17日・ノエビアスタジアム神戸)

 野生の熊は冬眠明けが危険だという。長期の空腹のため、気性が荒くなっているからだ。そういう意味では、2カ月以上ゴールから遠ざかっていた神戸のFW大迫勇也はピッチ上で最もどう猛な存在だった。

 4試合ぶりの先発出場。後半5分に目覚めの一発を決め、先制点をもたらした。

 ただ、その後の劇的な展開がなければ笑みもなかっただろう。チームは2度のリードを追いつかれ、2―2に。引き分けが濃厚になる空気の中、最後に嗅覚が働いた。

 後半追加タイム。相手のクリアミスを佐々木大樹が拾い、すぐにクロスを上げた。近いサイドに飛び込んだのが大迫だ。相手2人のマークを外し、頭でたたき込んだ。決勝弾にあごが外れそうなほど口を開き、思い切り叫んだ。

 日本屈指のストライカーは本来の迫力を出せずにいた。18日に35歳になる本人は多くを語らないが、体の至る所に痛みを抱えていた。主力にけが人が続出したシーズン開幕当初にフル稼働していた疲労の蓄積もあった。「連戦も多い中でけがをしたらだめだと頭にあった」と言う。

 オフを挟むことで自らを省みた。「それじゃだめだと。練習から120%でやっていかないといけない」。原点に立ち返った。

 連敗を2でストップ。首位の背中はまだ遠いが、大迫は「ビビっていても仕方ない。とことん、とことんやるだけです。根性で。それが一番大事なので」。3連覇への道はこれからだと、背中で示してみせた。【生野貴紀】

毎日新聞

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