6年ぶりに千日手 藤井名人「やむを得ない形に」 名人戦第4局

2025/05/17 19:27 

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 藤井聡太名人(22)に永瀬拓矢九段(32)が挑戦し、藤井名人の3連勝で迎えた第83期名人戦七番勝負の第4局(毎日新聞社、朝日新聞社主催、大和証券グループ協賛、九州電力、QTnet協力、宇佐商工会議所地元主催)が17日、大分県宇佐市の宇佐神宮で始まり、午後5時3分、61手で勝負がつかない千日手が成立した。規定により、指し直しの対局は18日午前9時、永瀬九段の先手番で指され、同日夜に決着する見込み。名人戦での千日手は、佐藤天彦名人(当時)に豊島将之王位(同)が挑戦した2019年の第77期第1局以来6年ぶり。

 定刻の午前9時、立会の谷川浩司十七世名人が開始を告げ、藤井名人の先手番で今期シリーズ3度目の角換わり戦に進んだ。午後から長考合戦となり、永瀬九段が36手目、77分の長考の末に7五歩と突っかけて戦いの口火を切った。藤井名人も72分長考して4五歩と突き、攻め合いを目指したが、その後、8筋での攻防で同一局面が4度現れ、千日手が成立した。

 藤井名人は「少し誤算があった。千日手は先手番なので本意ではないが、やむを得ない形になってしまった感じがした」と受け入れ、永瀬九段は「後手番が千日手を目指すのは自然な印象ではあるので、後手番側の視点からすると、そういうところ(千日手)もあるのかなと思う」と話した。

 千日手局の残り時間は藤井名人4時間27分、永瀬九段7時間9分。封じ手時刻(午後6時半)までの1時間27分を折半し、両者の持ち時間から差し引いた結果、指し直し局の持ち時間は先手番の永瀬九段が6時間26分、後手番の藤井名人が3時間44分となる。

 解説の深浦康市九段は「藤井名人の5六銀(35手目)が千日手を誘発した可能性がある。指し直し局はどんな戦型になるかがまず注目」と話した。【新土居仁昌、丸山進】

 ◇[先]藤井[後]永瀬

<1>2六歩  (2)8四歩

<3>2五歩  (4)8五歩

<5>7六歩  (6)3二金

<7>7七角  (8)3四歩

<9>6八銀  (10)3三角

<11>同角成 (12)同 金

<13>7七銀  (14)6二銀

<15>7八金  (16)6四歩

<17>4八銀7 (18)7四歩1

<19>4六歩1 (20)1四歩

<21>1六歩6 (22)9四歩3

<23>9六歩2 (24)7三桂1

<25>6八玉1 (26)4二玉1

<27>4七銀30 (28)6三銀

<29>3六歩6 (30)4四歩

<31>3七桂15 (32)5二金

<33>5八金86 (34)3二玉2

<35>5六銀33 (36)7五歩77

<37>4五歩72 (38)7六歩23

<39>同 銀  (40)8六歩1

<41>同 歩1 (42)同 飛

<43>8七金  (44)8一飛1

<45>8六歩  (46)8八歩

<47>同 金  (48)8六飛

<49>8七金  (50)8一飛

<51>8六歩13 (52)8八歩1

<53>同 金  (54)8六飛

<55>8七金  (56)8一飛

<57>8六歩  (58)8八歩

<59>同 金  (60)8六飛

<61>8七金

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