日産、18年ぶり国内で早期退職募集 7~8月 人員削減不可避

2025/05/18 09:54 

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 経営再建中の日産自動車は18日、国内で早期退職者を募集すると明らかにした。7~8月に事務系部門を対象に実施する方向で調整している。国内での早期退職者の募集は、2007年3月期にカルロス・ゴーン社長(当時)の体制下で初の減益となり同年に実施して以来、18年ぶり。世界で2万人の人員削減を行う経営再建計画の一環だ。

 日産は国内で主力の追浜工場(神奈川県横須賀市)と子会社「日産車体」の湘南工場(同県平塚市)について閉鎖も含めた検討に入っているほか、海外5工場の削減も進める。ただ、トランプ米政権による関税政策などもあり事業環境が厳しさを増す中で管理費の適正化を迫られており、立て直しには国内の人員削減も不可避と判断した。

 対象は、勤続5年以上で開発、生産、デザイン部門以外に在籍する満45歳以上65歳未満の従業員。部課長や定年再雇用の従業員(シニアパートナー)など幅広い職種が含まれる。従業員には既に通知しており、対象者には追って詳細を連絡するという。募集人数は示していない。

 日産は13日発表した25年3月期連結決算で、最終(当期)損益が6708億円の赤字(前年は4266億円の黒字)に転落した。同時に経営再建計画を公表し、27年度までにグループ従業員の約15%に当たる2万人を削減する方針を示していた。内訳は、工場などの生産部門が65%(1万3000人)▽事務部門が18%(3600人)▽研究開発部門が17%(3400人)。【鶴見泰寿】

毎日新聞

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