俳優の倍賞千恵子、木村拓哉が20日、都内で行われた映画『TOKYOタクシー』（11月21日公開）完成披露試写会に登壇した。

【写真】セレモニーでは⋯倍賞千恵子をエスコートをする木村拓哉

　本作は、フランスで初登場新作1位を獲得、2022年に日本でも公開されヒットしたフランス映画『パリタクシー』が原作。昭和から平成、令和と、日本に生きる人々を長年描き続けてきた山田洋次監督が、刻々と変化する大都市「東京」を舞台に、人生の喜びを謳いあげる、感動のヒューマンドラマ。

　倍賞は終活に向かうマダム・高野すみれ、木村は鬱々とした日々を送るタクシー運転手・宇佐美浩二を演じ、2人は“たった1日の旅”を通して心を通い合わせる。 山田監督91作中70作に出演するほど常連の倍賞は、「山田組に出ると、勉強していなかったことがとてもよくわかる。私にとっての学校。それは演じたり、お芝居的な学校ではなく人間としてどう生きていくか。作品を通じて演じながら考える。人間としての学校」と唯一無二の存在であることを伺わせる。

　木村も「倍賞さんと同じで、作品の監督という立ち位置にいてくれるのですがそれだけではない、撮影現場という豊かさを教えてくださる、伝えてくださる。きょう一緒に作業をしてくださる。すごく人の気持ちがのっかった、各部署、セクションもいて、すごく豊かな場所です」と山田組について熱い想いを明かした。

　一方、倍賞は「山田さんの作品で、さくらという役で長い間出演させてもらったんですけど、すみれと名前が変わりまして。映画のなかでメイクをしたりマニキュアを塗ったり、すばらしいダイヤモンドのイヤリングをしたり、高いバッグを持ったりする役をやったことがなかったので」と役名だけでなく役柄も大きく変化し、「最初は大変、戸惑っていました」と振り返る。

　「わざわざきょうも、きれいなネイルをしてきたんですけど、最初は3時間くらいかかったんですけど、撮影中も手直しをしてくださったりして。暗がりでやっていると木村くんがぱっと来て、スマホで明かりをつけてくださるんです。それにすごく助けられました。そのときはありがとうございます」と木村に向かってぺこり。「私にとっては生涯忘れられない作品。劇場に足を運んでくださるように多くの方にこの映画をみていただければ」と呼びかけていた。

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