自民、維新の両党首が連立政権樹立で合意 21日に高市首相選出へ

2025/10/20 18:17 

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 自民党の高市早苗総裁と日本維新の会の吉村洋文代表(大阪府知事)は20日、12項目にわたる政策協議を取りまとめ、自民、維新の連立政権を樹立させることで合意した。当面は閣僚を出さず、政策協定に基づいて政権運営に協力する「閣外協力」にとどめる。21日召集の臨時国会で実施される首相指名選挙で、維新は高市氏に投票する方針で、高市氏が初の女性首相に選出されることが確実な情勢となった。

 公明党の連立離脱表明からわずか10日で、自民は連立の枠組みを変更する。高市氏は21日中に新内閣を発足させる見通し。

 政権の安定を重視する自民は、維新からも閣僚や副大臣・政務官を出す「閣内協力」を要請し、複数の閣僚ポストを打診していた。だが、維新側は閣僚を出さず、与党として政権運営に参加する「閣外協力」にこだわった。

 一方、維新は遠藤敬国対委員長を首相補佐官と兼務させる方針だ。少数与党で厳しい政権運営が想定される中、与野党にパイプがある遠藤氏が政府とのつなぎ役を担うとみられる。

 合意文書では、維新が交渉途中から合意の「絶対条件」の三つ目に加えた「国会議員の定数削減」について、衆院議員定数の1割を目標に削減するため、臨時国会で法案を提出し、成立を目指すとした。

 残る二つの絶対条件として挙げていた災害時の首都中枢機能のバックアップを担う「副首都構想」に関しては、協議体を設置し、来年の通常国会での法案成立を目指すことで一致。社会保険料引き下げを含む「社会保障改革」は、今年6月の自民、公明、維新による3党合意を確実に履行し、さらに定期的に協議を継続することで合意した。

 一方、自民と大きな隔たりがあった企業・団体献金の廃止と2年間の食料品の消費税率ゼロについては、協議体を新たに設置し、継続協議とするにとどまった。企業・団体献金については、高市氏の総裁任期の2027年9月末までに結論を得ると期限を区切ったが、事実上の棚上げとなる可能性もある。

 正式合意に先立ち、記者団に概要を説明した維新の藤田文武共同代表は、多くの協議項目について「満額回答」と繰り返し、維新側の要求の多くが受け入れられたとの認識を示した。

 藤田氏は連立協議について「公明党の連立離脱から非常に短い期間の中でも、長い時間をかけてもらった」と振り返り、「規模の違う非常に小さな政党ながら、我々の改革の熱意に賛同をいただいた。真摯(しんし)な協議をいただき、大変大きな感謝を申し上げる」と語った。【園部仁史、原諒馬】

毎日新聞

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