紗倉まな「妊娠・出産」への葛藤描く 作家デビュー10周年の渾身作

2025/12/16 10:50 

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紗倉まな最新小説『あの子のかわり』が2026年2月12日に刊行

 作家デビュー10周年を迎える紗倉まなが、最新小説『あの子のかわり』(河出書房新社)を2026年2月12日に刊行する。デビュー作『最低。』の発売からちょうど10年という節目の日に送り出される本作は、「妊娠・出産」をめぐる葛藤を真正面から描いた意欲作だ。

【写真】直筆メッセージを寄せた紗倉まな

 最新作について紗倉は「現代においても未だ残っている出産の圧に押されながら、犬と夫と共に生活している主人公の由良、そして未婚のまま妊娠した親友・有里奈との、一つの群れの形成と途切れを描いた物語です」と紹介。「今年で作家デビューから10年を迎え、これからも小説を書き続けようと強い思いを込めた作品です」(著者手書きメッセージより一部抜粋)と明かしている。

 さらに「『あの子のかわり』は、現代においても未だ残っている出産の圧に押されながら、犬と夫と共に生活している主人公の由良、そして未婚のまま妊娠した親友・有里奈との、一つの群れの形成と途切れを描いた物語です」と伝え「妊娠・出産という何にもかえがたい経験がある周りの女性たちを眩しく見つめながらも、その女性たちとの関係の変化に焦りや寂しさを感じてしまう、妊娠・出産のカウントダウンが始まってしまう、そんな30代の女性に突きつけられに課題は多く、切迫するそうし数々の課題に狼狽えている今の自分だからこそ、遂に書き上げられたと思っています。今年で作家デビューから10年を迎え、これからも小説を書き続けようと強い思いを込めに作品です」とコメントしている。

 紗倉は、今年10月『うつせみ』(講談社刊)で、第47回野間文芸新人賞の候補作にノミネート(2020年『春、死なん』で第42回候補作となって以来2度目)。揺れ動く心理、微妙な人間関係を見つめる冷徹な観察眼、読者の心をわしづかみにする豊かな表現、独自の情景描写は、作品刊行のたびに高い評価を受け、文芸界から熱い注目を浴びている。

 紗倉は、1993年、千葉県生まれ。国立高専在学中の2012年にSOD専属女優としてAVデビュー。著書に小説『最低。』『凹凸』『春、死なん』『ごっこ』『うつせみ』、エッセイ集『高専生だった私が出会った世界でたった一つの天職』『MANA』『働くおっぱい』『犬と厄年』などがある。小説『最低。』は瀬々敬久監督により映画化、東京国際映画祭のコンペティション部門にノミネートされた。文芸誌「群像」に掲載された『春、死なん』『うつせみ』が、それぞれ第42回、第47回野間文芸新人賞候補作となる。
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