LA山火事、カナダも支援 死者6人に 略奪行為横行、20人拘束

2025/01/10 12:59 

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 バイデン米大統領は9日、西部カリフォルニア州ロサンゼルス周辺で7日から続く山火事で、隣国のカナダから消防士や消防ヘリの派遣を受けたと明らかにした。トランプ次期大統領が「カナダ併合」を訴えて米加関係の悪化が懸念されているが、バイデン氏は危機対応のために隣国の助けを借りた形だ。

 ロサンゼルス周辺では7日から複数の地域で山火事が続き、9日も新たな地域で山火事が発生した。CNNによると、少なくとも6人が死亡し、5000棟近くの建物が焼けた。映画製作の中心地ハリウッド近くの高級住宅街でも被害が広がっている。

 米メディアによると、山火事に乗じて略奪行為をしたとして、少なくとも20人が拘束された。地元当局は夜間外出禁止令の発令も検討している。

 バイデン氏は9日、関係閣僚らの会議を招集。火災が広がる原因となっている強風について「一時的に収まるが、地域によっては来週まで続きそうだ」と述べ、鎮火まで時間がかかるとの見通しを示した。

 バイデン氏は自治体による消火活動を支援するため、連邦機関の30機以上の消防ヘリ・航空機、米軍のC130輸送機8機を現地に派遣したと説明。今後180日間にわたって、一時避難施設、がれきの除去、消防当局の人件費などを連邦政府が全額負担することも表明した。連邦緊急事態管理局(FEMA)のクリスウェル局長は現地入りして、州当局と連携を図っている。

 また、カリフォルニア州の自宅が避難命令の対象区域になったハリス副大統領は9日、13日からシンガポール、バーレーン、ドイツを歴訪する予定を取りやめ、山火事の対応に専念することを決めた。【ワシントン秋山信一】

毎日新聞

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