米新エネルギー省長官「原発、LNG拡大を」 気候変動対策にも理解

2025/01/16 14:02 

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 トランプ次期米大統領にエネルギー省長官に指名されたクリス・ライト氏が15日、米連邦議会上院の公聴会に出席した。原発や液化天然ガス(LNG)などのエネルギー増産が必要と主張する一方、トランプ政権で後退が予想される気候変動対策にも取り組む考えを示した。

 ライト氏は早期に取り組むべき課題として、「米国のエネルギーを解き放ち、エネルギー分野での優位な立場を回復させること」と表明。「国際競争力を高めるため、原子力やLNGを含むエネルギー生産を拡大し、コストを下げる必要がある」と主張した。

 また、「現在はプロジェクトの開始が非常に困難となっている。その結果、エネルギーは高価格になっている」と指摘。原油や天然ガス採掘プロジェクトの障壁となっているとされる環境規制などの縮小、廃止を進める考えを示した。

 一方、気候変動問題については「地球規模の現実的な問題だ。困難ではあるが、エネルギーシステムを進化させることが解決策になる」と語り、原発、太陽光、地熱発電や新たな蓄電技術の開発に取り組む考えを表明。「エネルギーと気候問題で、米国は世界のリーダーであるべきだ」と述べた。

 ライト氏は、石油、天然ガス採掘関連企業「リバティー・エナジー」の最高経営責任者(CEO)で、安価な化石燃料の採掘手法を編み出した「シェール革命」の先駆者の一人。ライト氏は「トランプ氏とエネルギーに対する情熱を共有している。彼の大胆な計画遂行に向け、精力的に働く」と話した。【ワシントン大久保渉】

毎日新聞

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