ASEAN、非公式外相会議 ミャンマー国軍は外務次官派遣へ

2025/01/18 20:18 

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 東南アジア諸国連合(ASEAN)の一連の非公式外相会議が18日から2日間の日程で、議長国マレーシア北部のランカウイ島で始まった。国軍のクーデターからまもなく4年となるミャンマー情勢や、同国の国境地帯で横行する特殊詐欺についても議論が交わされるとみられる。

 ミャンマーの軍事政権は外務次官を派遣する見通し。軍政は2025年中に総選挙を行うとしているが、少数民族勢力などとの戦闘が続いており全国的な実施は難しい情勢だ。ASEANはこれまで国軍に暴力の即時停止などを求めてきたものの交渉は行き詰まっており、総選挙を認めるのか対応が問われることになる。

 この問題を巡っては昨年12月、ミャンマーと中国やインドなど近隣国の非公式会合がタイのバンコクで開かれた。ASEANとは別の枠組みによる打開を模索し、ミャンマー側は国軍が外相に任命したタンスエ氏が出席して総選挙についても説明したとされる。タイ外務省高官は会合後、「ASEANとして総選挙に対する共通認識を持つべきだ」との見解を示した。

 また、ミャンマーの政情不安に乗じて、国境周辺で犯罪組織が外国人らをだまして特殊詐欺などに加担させる事件が相次いでいることも懸案となっている。

 会議には、ASEAN加盟が原則承認されている東ティモールもオブザーバーとして参加。加盟国の一部と中国が領有権を争う南シナ海問題なども議論される。【バンコク武内彩】

毎日新聞

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