受験生「対策難しかった」「思ったよりも」 新課程で初の共通テスト

2025/01/18 21:28 

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 現行の学習指導要領に対応した「新課程」に基づく初めての大学入学共通テストは、教科・科目の大幅な再編だけでなく、出題内容にも変化がみられた。思考力、判断力が重視されたのは従来の傾向通りだが、例えば地理歴史では探究活動の場面が題材として多く設定され、文献や統計などから情報を読み解く力を測る問題が目立った。

 ベネッセ・駿台予備学校の「データネット実行委員会」の担当者は、地理歴史について「全体的に学校の授業での探究学習の活動が重視され、多様な資料が用いられたことが特徴だった」と分析。資料を読み解きながら考察する試作問題の傾向は踏襲されたうえで、より深い知識が求められた。

 「歴史総合、日本史探究」を受けた立教大志望の東京都立高3年の男子生徒は「過去問がないため対策は少し難しかったが、背景知識を身につけていればある程度の思考力で解ける問題だと思った」と話した。

 「歴史総合、世界史探究」を受けた早稲田大志望の都立高3年の男子生徒はここ数年の過去問で資料を読み解く形式の対策をしたといい「手応えは悪くなかったです」と笑顔で会場を後にした。

 公民では「男女共同参画」や「1票の格差」など実社会の課題を扱った問題が出された。全ての大問で生徒間の会話や学習の場面が設定された。

 国語は現代文の大問が前回までの2問から3問に増え、試験時間も10分延びた。評論、小説に加えて「実用的な文章」として外来語の言い換えに関するリポートがグラフとともに出題された。データネット実行委の担当者は「大問が増えた一方で、従来よりも少ない四つの選択肢から解答させる問題が多く見られた」と指摘した。

 英語(リーディング)は解答数が前回の49から44に減少。日常的なものから説明文までさまざまな文章が扱われた。浪人生の女性(19)は「思ったよりも簡単だった。明日の理系科目も最後まで諦めずに解きたい」と力を込めた。

 私立大を志望する都立高校3年の女子生徒は「英語のリスニングが想定していたよりも形式が少し違って難しかった」と振り返った。「明日も今日と同じように緊張しないで臨みたい」と話していた。【井川加菜美、西本紗保美】

 ◇「やれることはやってきた」

 近畿大東大阪キャンパス(東大阪市)では18日朝、コートを着て、受験票や参考書を手に会場入りする受験生の姿が見られた。

 明星高3年の山田健太さん(18)は「やれることはやってきたので、成果を出したい」と顔を引き締めた。興国高3年の高山仁さん(17)は、感染拡大が続くインフルエンザを念頭に「手洗い、うがいはもちろん、マスクも着用するなど、感染症対策には気をつけてきた」と話し、会場に向かった。【露木陽介】

毎日新聞

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