大学入学共通テスト始まる 「新課程」で初 思考・探究の力重視
大学入学共通テストが18日、全国651会場で始まり、地理歴史、公民、国語、外国語の4教科が実施された。現行の学習指導要領に対応した「新課程」では初めての実施となり、思考力を確かめたり、グラフやリポートを分析する力を測ったりする問題が目立った。「主体的な学び」を意識し、生徒間の対話や探究活動を題材とした設問も多かった。教科・科目数は、従来の6教科30科目から7教科21科目に再編された。
志願者数は49万5171人で7年ぶりに増加した。テストを利用する国公私立大学・短大などは838校で、2024年から26校減った。
旧指導要領の内容を学んだ浪人生らの受験を想定し、今回に限って「旧課程」の試験も経過措置として実施。新旧課程の科目で20点以上の平均点差が生じた場合は得点調整が行われる。調整の有無は24日に公表される。
地理歴史の新設科目「歴史総合、日本史探究」では、菓子に着目した探究活動を題材に砂糖の流通について考察させた。また「サンデー毎日」に掲載された長谷川町子の4コマ漫画「意地悪ばあさん」が題材になった。国語の古文では24年のNHK大河ドラマ「光る君へ」の主人公・紫式部による「源氏物語」の一部が引用された。
大学入試センターによると、滋賀大彦根キャンパス試験場(滋賀県彦根市)で、試験監督のミスで85人が再試験の対象になった。地理歴史、公民の試験で本来、開始前に受験番号や氏名、解答科目を記入させる指示が必要だったが、しないまま開始したという。東京芸術大音楽学部試験場(東京都台東区)でも指示ミスがあり1人が再試験の対象となったが、辞退した。
英語(リスニング)で機器の故障などによる「再開テスト」の対象となったのは全国43試験会場で49人だった。機器の不具合を申し出た受験生が33人いたほか、機器の落下が6人、体調不良が3人だった。
茨城大農学部試験場(茨城県阿見町)では、常磐線の遅れにより2人が外国語の試験に間に合わず、別室で開始時間を30分繰り下げて受験した。
2日目の19日は理科、数学と、今回新たに導入された情報の3教科が実施される。【斎藤文太郎】
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