トランプ氏「ベネズエラが不法移民の送還合意」 犯罪集団メンバーも

2025/02/02 12:11 

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 トランプ米大統領は1日、米国内で拘束したベネズエラ人不法移民の全員を強制送還することでベネズエラ側と合意したと発表した。ベネズエラの国際犯罪集団「トレン・デ・アラグア」のメンバーも含むとし、移送手段を相手国が提供することでも合意したと説明した。自身のソーシャルメディアに投稿した。

 これに先立つ1月31日、米国のグレネル大統領特使(特別任務担当)がベネズエラを訪問し、マドゥロ大統領と会談していた。この日の夜にはベネズエラの施設に拘束されていた6人の米国人を連れて帰国した。会談では不法移民の受け入れについても話し合ったとみられる。

 南米のベネズエラでは、マドゥロ氏が独裁色を強めている。バイデン前米政権は、昨年のベネズエラ大統領選は不正の疑いがあるとして、マドゥロ氏の勝利を認めなかった。第2次トランプ政権もマドゥロ政権の正統性を認めない姿勢は維持する。一方で、トランプ氏は、「世界の最もホットな現場で働いてもらう」として特使に任命したグレネル氏を派遣し、ディール(取引)の可能性を探った形だ。

 トランプ氏は投稿で「(米国は)記録的な数の不法滞在者を排除中で、全ての国がこれらの不法滞在者の受け入れに同意している」とも書き込んだ。

 ただ、トランプ政権は脅迫的な外交手段を駆使している。不法移民の強制送還を拒否する姿勢を示したコロンビアには制裁関税を課すと圧力をかけ、要求を全てのませた。トランプ氏の不法移民対策に不満を示していたメキシコも、こうした動きを踏まえて協力姿勢を明示するようになった。【ワシントン西田進一郎】

毎日新聞

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