トランプ氏、移住後のガザ住民の帰還否定 「所有」構想巡り

2025/02/11 15:52 

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 トランプ米大統領は10日放送のFOXニュースのインタビューで、パレスチナ自治区ガザ地区の住民を域外に移住させた上で開発する米国による「所有」構想に絡み、いったん移住したガザの住民には再びガザに戻る権利はないとの認識を示した。「恒久的」な移住案に関しては既に国際社会から批判が出ている。

 トランプ氏は4日に構想を表明した際、ガザの住民を恒久的に移住させた上で開発する意向を示した。これに対して、アラブ諸国や国連は「民族浄化に等しい」などと反発。翌5日にレビット大統領報道官らが移住は「一時的」な措置だと軌道修正を図った経緯がある。

 トランプ氏はインタビューでガザ住民の移住先について、「(域外に)5~6カ所、2カ所かもしれないが、危険な場所から少し離れた安全なコミュニティーを建設する」などと主張。住民がガザに戻る権利があるのかと聞かれ、「ないだろう。彼らはより良い住宅を手に入れることになる」と持論を展開した。

 また住民の受け入れ先として念頭にあるエジプトとヨルダンに言及し、「取引できるだろう。我々は毎年何十億ドルも彼らに与えている」と述べた。今後両国に対して援助をテコに取引を迫る可能性がある。

 ヨルダンのアブドラ国王とは11日にワシントンで会談する予定だ。トランプ氏は10日、記者団にエジプトとヨルダンが住民を受け入れない場合、援助を停止する可能性に言及した。

 またガザの所有についても改めて意欲を示し、「将来のための不動産開発だと考えてほしい。美しい土地になるだろう」と語った。【ワシントン松井聡】

毎日新聞

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