イーロン・マスク氏、15兆円でOpenAI買収提案 CEO拒否「結構です」

2025/02/11 08:50 

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 米実業家のイーロン・マスク氏が率いる投資家連合が10日、対話型人工知能(AI)「チャットGPT」を運営するオープンAIを974億ドル(約15兆円)で買収する提案をした。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が報じた。マスク氏に敵視されているオープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)は、この提案を断る考えを示した。

 WSJによると、マスク氏の代理人弁護士が10日、オープンAIの取締役会(理事会)に買収を提案した。マスク氏は声明で「今こそ、かつてのように無償で公開され安全性に重点を置く形態に戻る時だ」と述べているという。

 これに対しアルトマン氏は10日、X(ツイッター)に「結構です。ただ、もしあなたが望むならツイッターを97億4000万ドルで買いましょう」と投稿。売却しない意思を明示したうえで、マスク氏が所有するXを今回の提案額の10分の1の値で買ってもよいと切り返した。

 マスク氏は2022年に総額約440億ドルで当時のツイッターを買収しており、アルトマン氏の「冗談」とみられる買収提案額はその4分の1以下。マスク氏はこの投稿に腹を立てたのか「詐欺師」と短く返信した。

 マスク氏は15年に設立されたオープンAIの経営に一時関与していたが、路線対立により18年に離脱。AIブームを巻き起こした同社を敵視しており、「創業時の理念に反し、営利目的になっている」などとして同社とアルトマン氏を提訴している。【ワシントン大久保渉】

毎日新聞

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