ミャンマーの特殊詐欺拠点 救出の7141人は28カ国から 邦人なし

2025/02/26 13:53 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 中国系犯罪組織による特殊詐欺拠点が集まるミャンマー東部カイン州ミャワディで、地域を実効支配する武装勢力が1~2月に拠点で監禁されていた外国人計7141人を保護し、その出身国が少なくとも28カ国・地域に及ぶことが判明した。日本人は含まれていなかった。

 タイ当局によると、国籍別で最も多いのは中国人で5000人近く、ベトナム人やインド人が500人以上、エチオピア人も430人いた。全体のうち420人が女性だった。

 タイ政府は、詐欺拠点に監禁され、特殊詐欺に加担させられた外国人は1万人に上るとみている。これまでに約1000人がタイ当局に引き渡され、一部はチャーター機で母国に戻ったが、保護施設に残ったままの人もいる。

 ミャンマーで保護された人の中には、犯罪組織の関係者が紛れている可能性もあり、送還の手続きには時間がかかるとみられる。

 一方、タイ当局は26日、タイ北西部メソトで、日本人男性1人を保護したと明らかにした。国境を接するミャンマー東部にある特殊詐欺の拠点に関連した被害者か、こうした犯罪グループの一員である可能性があるとみて調べている。

 当局によると、男性は国境周辺にいたところを発見された。年齢は20~30代くらいとみられる。周辺の病院で働くつもりだったという趣旨の説明をしているが、ホテルの予約などはしていなかったという。【バンコク武内彩、石山絵歩】

毎日新聞

国際

国際一覧>