米露協議12時間 「共同声明発表の見通し」と報道も、露「非公表」

2025/03/25 21:17 

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 米国とロシアの代表団は24日、サウジアラビアでウクライナでの停戦について協議した。黒海での停戦などを議論したとみられ、協議は休憩を含め12時間に及んだ。タス通信は24日に、米露が25日にも共同声明を発表する見通しだと伝えていたが、ペスコフ露大統領報道官は25日、「協議結果は公表しない」と述べた。米露間の調整が難航している可能性がある。

 ペスコフ氏は25日、米露は「技術的な交渉を続けており、報告書の内容を双方で分析中だ」と説明した。露上院国防・安全保障委員会のチジョフ第1副委員長は露国営テレビの取材に「(米露は)共同声明に合意したように見えたが、ウクライナの態度により、そうはならなかった」と述べた。

 また、タス通信によると、協議に参加したロシアのカラシン上院国際問題委員長は25日、今後の米露交渉について「国連や他国など国際社会を巻き込んで継続することになるだろう」と語った。

 一方、米ホワイトハウス関係者は24日、ロイター通信に「トランプ政権の技術チームが進めている協議は非常にうまくいっている。近く前向きな発表ができるだろう」と語っていた。

 ウクライナでの戦争を巡っては、米ウクライナが11日の高官協議で30日間の全面的な停戦で合意する一方、ロシアはこれを拒否。ただ、露ウクライナ双方ともエネルギー関連施設を対象にした30日間の攻撃停止には同意した。

 今回はサウジアラビアの首都リヤドで23日から、米ウクライナ、米露がそれぞれ会合を持ち、攻撃停止をどう実行に移すかなどについて検討したとみられる。

 仲介にあたる米国は、エネルギー施設への攻撃停止▽黒海での停戦▽停戦ラインの確定――という3段階での停戦を模索している。ウォルツ米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は今回の米露協議について事前の米メディアのインタビューで、第2段階以降も議題にする意向を示していた。【モスクワ山衛守剛】

毎日新聞

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