韓国最大野党党首が逆転無罪 前回の大統領選めぐる虚偽発言

2025/03/26 15:39 

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 韓国の進歩系の最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表(61)が前回の大統領選に絡んで虚偽発言をしたとして公職選挙法違反罪で在宅起訴された事件の控訴審で、ソウル高裁は26日、懲役1年、執行猶予2年とした1審判決を破棄し、逆転無罪を言い渡した。聯合ニュースが報じた。

 李氏は、次期大統領にふさわしい人物を問う世論調査の大半でトップを走っており、今回の無罪判決により、大統領選出馬に向けた環境がこれまで以上に整うことになる。

 ただ李氏は他にも、都市開発事業を巡る背任事件や、北朝鮮への不正送金事件など複数の罪で在宅起訴されている。また検察側は上告すると見られており、今回の公選法違反事件で、最終的に罰金100万ウォン(約10万5000円)以上の有罪が確定すれば、李氏は被選挙権を失い次期大統領選には出馬できない。李氏は党内をほぼ掌握しているものの、世論には反発も根強い。

 李氏の先行きは、「非常戒厳」の宣布をめぐり弾劾訴追された保守系の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に対する憲法裁判所の判断にも影響を受ける。憲法裁は近く尹氏の罷免の是非を決定する。

 尹氏が罷免されれば、60日以内に大統領選が行われる。大統領選前に公選法違反事件で100万ウォン以上の有罪が確定しない場合、李氏は出馬できる。このため最高裁の判決内容やその時期が、大統領選の行方に影響を及ぼすことになる。公選法は、同法違反事件について控訴審判決から3カ月以内に上告審を終えるよう定めている。

 一方、仮に憲法裁が尹氏の罷免を妥当でないと判断すれば、尹氏は大統領に復帰する。尹氏の任期は2027年5月まで。【ソウル福岡静哉】

毎日新聞

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