ウクライナ「ロシアが合意違反30回超」 エネルギー施設攻撃巡り

2025/04/17 09:58 

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 ロシアの侵攻を受けるウクライナ政府は16日、両国がエネルギー施設への攻撃停止で合意した3月以降、露軍が30回以上にわたり合意違反の攻撃を繰り返しているとして批判した。ウクライナでの停戦に向けた米露首脳による電話協議から18日で1カ月がたつが、ウクライナとロシア間で合意違反との非難の応酬が続いている。

 ウクライナ政府によると、南部のヘルソン州やミコライウ州、中部ポルタバ州で4月15日から16日にかけ、露軍によるエネルギー施設を狙った攻撃が続いた。ウクライナ外務省の報道官は16日、記者団に対し「残念ながらロシアは日常的に合意違反を続けている」と述べ、違反の詳細な情報を欧米などの支援国に提供していると説明した。

 トランプ米大統領は3月18日、ロシアのプーチン大統領との電話協議終了後、ロシアがエネルギー関連施設への攻撃停止で合意したと発表した。ウクライナのゼレンスキー大統領も同19日のトランプ氏との電話協議で、攻撃停止に同意した。だが履行時期や攻撃停止の対象などの詳細は不明確で、その後も両軍による相手国のエネルギー関連施設などへの攻撃が続いている。ウクライナ外務省は4月16日、履行期間は3月25日以降との認識を示した。

 ロシア側もウクライナが露国内のエネルギー関連施設への攻撃を継続しているとして批判している。

 停戦に向けた交渉では、トランプ氏が3月18日のプーチン氏との電話協議で30日間の即時停戦を提案したが、ロシア側は受け入れなかった。また米政府は同25日、ロシア、ウクライナ両政府と黒海での航行の安全確保と、武力行使を排除することで合意したと発表したが、ロシア側は、対露制裁の一部緩和を履行の条件とするなどし、ウクライナや欧州の支援国から、戦闘を継続し、占領地を拡大するための「時間稼ぎ」との批判が出ている。【ブリュッセル宮川裕章】

毎日新聞

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