ミャンマー軍政トップ、ASEAN議長と異例の会談 地震支援巡り

2025/04/18 10:41 

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 ミャンマー軍事政権トップのミンアウンフライン国軍最高司令官は17日、隣国タイの首都バンコクで東南アジア諸国連合(ASEAN)の今年の議長国マレーシアのアンワル首相と会談した。軍事政権が明らかにした。3月28日に発生した大地震への支援について協議したとしている。

 ASEANは2021年2月のクーデター後、国軍が武力の即時停止などに応じないことを理由に、ミンアウンフライン氏ら軍幹部の主要会議への参加を認めていない。今回の議長国との会談は異例だ。

 会談はアンワル氏が人道支援や停戦の延長を促す目的で呼びかけた。国軍は国際社会から孤立してきたが、ミンアウンフライン氏は災害支援を機に外交の活発化を図っている。タイの複数メディアによると、会談には外交経験や人脈を買われてアンワル氏の顧問を務めるタイのタクシン元首相も同席した。

 ミャンマーでは国軍が地震を受けて、国内の民主派勢力などとの一時停戦を宣言した。22日に期限を迎えるが、今回の会談では延長に関する発表はなかった。

 一方、国軍に抵抗する民主派の「国民統一政府(NUG)」などは16日に声明を発表し、「自然災害と紛争により被害を受けた人々に確実に支援を届けるには全ての関係者が関与すべきだ」として抗議した。

 アンワル氏は会談後に交流サイト(SNS)で「国の正常化の重要性について率直で建設的な議論を行った」と投稿し、18日にNUGの代表者とも会談することを明らかにした。【バンコク武内彩】

毎日新聞

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